(ひとり)カラオケデビュー記

こんなに音楽が好きで、よくライブにも行っているのにカラオケというものには行ったことがなかった。

驚かれたこともある。
「生きていれば一度は行く機会あるでしょ」
「高校生のとき放課後友達と行かなかった?」
「飲み会の後流れで行ったりしない?」
「そっか、まかろにさん友達が…」

などという心無い言葉(?)もあった。

厳密には幼少期に親に連れられて行ったことはあるらしいのだが、記憶にない。さらにその時はまったく歌わずにずっとゲームをしていたらしいので、カラオケ経験にはカウントできないだろう。

とにかく、カラオケには縁がない人生だった。

ところが、ここ最近で急に湧き上がったひとつの感情があった。


歌いたい。

ウタヲ、ウタイタイ。



僕の中の初音ミクが目覚めた瞬間だった。

思い立ったが吉日、ということでさっそくカラオケに行ってきた。

普通にその辺にあるカラオケに行ってもよかったのだが、ワンカラというひとりカラオケ専門店があると聞いていたので、せっかくなのでそこへ行ってみた。

ドキドキしながら受付へ。
そこで想定外の質問が。

「ご利用機種とヘッドホンの種類をお選びください。」

ヘッドホン…だと……!?

そう、このお店ではスピーカーから音楽が流れるのではなく、ヘッドホンから流れるとのこと。

レコーディングでもするのか?

と思いながら。種類によってレンタル料金が違うようなのだが、とりあえず初めてだし一番安い一般的なやつを選択。(500円)

そして機種。事前に少し調べたところDAMというのが歌いたい曲が多くあっていいなーと思っていたのだが、DAMの部屋はすべて使用中とのことで仕方なくJOYSOUNDの部屋へ。(ごめんねJOYSOUND、今日で好きになったよ)

部屋は防音の(当たり前)完全個室でオートロック、防犯もバッチリ。広さ的には若干圧迫感があるかな?(僕がデカいというのもある)と感じるもののただ歌うだけなら十分な広さ。

受付でレンタルしたヘッドホンをつけて試しにマイクに向かって声を出してみると、自分の声がダイレクトに耳に届く。

これがなんとも気持ち悪い。やっぱり自分の声は好きになれないし、歌が下手っぴだという現実を突きつけられる残酷さ。

しかしここまできてそうも言ってられない。
コンデンサーマイクにヘッドホン、ここはレコーディングブース、僕はプロのアーティストだ…と気持ちを持っていき歌い始める。

カラオケなら当たり前なのかもしれないが、音楽や自分の声、マイクのエコー具合とか細かく調整できるようになっていたのが良かった。エコーがあるとより自分の声がきつい。

いろいろ書いたが、徐々に自分の世界に入り最後には気持ちよく歌えるようになっていた。

そんなに歌わんやろ、と思って1時間にしたのだが、選曲のぐだぐだとかを考えれば2時間とかでも全然良かったかなと思っている。次は2時間かな。

本日のセットリストはこちら

RED / KOTORI
深夜6時 / レトロリロン
ひとしこのみ / 或るミイ
勝つまでが戦争 / QOOLAND
オーバーナイト / FINLANDS
Break / tricot
腰越クライベイビー / ASIAN KUNG-FU GENERATION
マジックアワー / SAKANAMON

特に縛ったわけではないんだけど、バンドしか歌ってないことに今気がついた。

癖になりそう、ひとりカラオケ。
カラオケによく行く人でも、こういう設備のひとりカラオケ専門店は新鮮だと思うので、ぜひ行ってみてほしい。

また行こう。
次こそはDAMを……