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年間200件以上の道路損傷箇所をAIシステムで発見!品川区が取り組むインフラ管理の業務改革
MCRコンソーシアムに参加している自治体の導入後の活用事例をお届けするnote。
今回は東京23区の中でも10番目の面積を有する区であり、「輝く笑顔 住み続けたいまち しながわ」のスローガンのもと、DX推進にも積極的に取り組んでいる品川区の事例をご紹介します。
※本記事の内容は、内容の元となっているセミナーが開催された2023年8月4日(金)時点のものです
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【解決したかった課題】道路点検補修業務の委託化に伴って生じた課題
品川区は、平成18年の地方自治法改正に伴い、直営で行っていた道路点検補修業務を委託化する業務体制の変更が生じました。業務を進めていく上で、幾つか課題もみられていたようです。
1.陳情件数の増加に伴う業務過多
情報化社会の発展により、区民からの陳情件数も同様に年々増加する傾向が顕著になってきました。陳情内容も多種多様で高度な判断が求められ、これまでと同じ体制では管理者の責務を果たすことが難しくなってきました。
2.巡回点検フローの崩れと不備の発生
巡回点検業務は、応急対策までを含む仕様でしたが、日々の陳情対応に追われ、全区道の巡回点検頻度が極端に低下し、損傷の発見漏れや補修の遅れなど不備が発生しやすくなってきました。
3.委託先によるスキルのばらつき
巡回点検員について、経験値の高い人材確保が困難になりつつあり、点検マニュアルに詳細にまで記載できない知識や判断力の統一化も補完できないことから、委託先によっては道路点検スキルにばらつきがあり、質の担保が課題になっていました。
4.点検、ルートの整理が追いきれず、点検漏れが確認できない
品川区の全328kmの区道をどこまで点検したのか、どの委託先がどのルートで点検したのか等の情報整理が追いつかず、結果的に点検漏れなどがどこにあるのかが十分確認できないケースなどが生じました。
【導入過程】複数の民間サービスで実証実験・比較検討
これらの課題を解決するために、平成29年度から徐々に業務の最適化に向けて動き出しました。
令和元年度の実証状況
実証実験から導入の経緯
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【現在の運用】巡視車に搭載し、全路面月1度の点検を実現
品川区は道路巡視車に「MCR for RoadManager」を搭載し、運転担当・点検担当の2名の乗車に合わせて、システムを用いた点検を行っています。
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現在は、この巡視車を毎日運行させ、品川区内328kmを毎月1回(幹線道路は週2回)ずつ点検できるよう、点検ルートを構築しています。
【導入成果】成果の定量化と点検範囲の拡大
これまで管理しきれていなかったことでできなかった、定量的な損傷の把握が実現しました。令和4年度の1年間では、200件以上の現地調査対象の損傷箇所をシステムで確認することができ、うち約50件を占める現場対応が必要な損傷への早期対応を実現しました。また、経過観察が必要な約150件についても、システムを通じた経過観察ができるため、現地に赴く必要がないまま、定期的な経過観察ができています。
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また、システムのダッシュボードから点検した道路を確認することができるので、漏れがある箇所が一目でわかり、点検漏れの防止にもつながっています。
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また、これまでは担当者が目視で行っていた道路の損傷箇所の確認をシステムが行うことによって、これまで確認が難しかったカーブミラーや街路樹など、別の対象の目視点検に人員を割くことができるようになり、より広範囲の点検が実現しました。
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他の事例はMCRコンソーシアムのYouTubeチャンネルで
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