好きな服と体型に合った服「40歳までにオシャレになりたい!」トミヤマユキコ
トミヤマユキコさんの「40歳までにオシャレになりたい!」、「はじめに」を読んですぐ、これは私のための本だと思った。
本書は、好きな服を好きなように着ることは得意で、むしろ素人がなかなか手を出さないようなおもしろ服もバンバンかえてしまうのに「ステキな大人服」のことになると急に混乱しだす人間が、必要最低限の努力で(ここ大事)イイ感じになるまでを綴ったドキュメントである。
「はじめに」より引用
トミヤマさんは、「おもしろい服なら得意」で、「『オシャレの圏外』にでることで、世間様のファッションチェックを交わし続けて」おり、本の中でそういう服装のことを愛をこめて「圏外ファッション」と呼んでいる。
圏外ファッション。
この言葉は、今まで自分が好んで着ていた服への疑問(何系なのか?)にひとことで答えてくれた。すごくしっくりきた。私が着ていたのは、まさにトミヤマさんがいうところの「圏外ファッション」だ。
武装&健康管理のための圏外ファッション
架空の動物柄のスカート、ぶどう柄のトップス、白鳥柄のワンピース、変形丸襟ブラウス。
会社に勤めていたころは、服装自由なのをいいことに、とにかく好きな服を着ていくようにしていた。いわゆるきちんとした服を身に着けると気持ちが死んでいくことが多い20代だったので(ストッキングを履きたくない、なぜかタイツは平気)、30歳を越えてからは好きな服を着ることは自分の心を守るための武装、または健康管理のような役割もあった。
圏外ファッションのメリットは、ほかにもある。
トミヤマさんが「『オシャレの圏外』にでることで、世間様のファッションチェックを交わし続けて」きたと書いているとおり、私も圏外ファッションでいることで「なんか個性的な服を着ている人」と受け取られるのを感じていた。その影響はファッションだけにとどまらず、容姿、年齢などのあらゆるカテゴリからも圏外になれるような気がして、どこか自由な気持ちになれた。
それに、好きな服を着ると朝家を出るのが辛くない。心と矛盾しない行動をとると、人は死なないのだと実感した。(逆に心と矛盾した行動をとっていくと、どんどん心が麻痺して、意に沿わない行動ばかりとってしまうようになる。)会社では服のことでよく声をかけられるし(それ何の柄?とか)、なんとなく親しみをもってもらえたり、自分のキャラクター像みたいなものもできた気がする。
だから、私の会社員生活は圏外ファッションにかなり守られていたと思う。もともと寛容であたたかい職場だったということも大きいけれど。
圏外ファッション以外も着てみたい
けれど最近になって、圏外ファッションを身に着ける機会は激減していた。一時はしょちゅう通っていた好きな服屋さんにも、もう1年近く行っていない。仕事がフリーランスになり、会社へ通うというミッションがなくなったおかげで、ファッションで武装したり、健康管理をする必要がなくなったからかもしれない。ストレスもかなり減った。
入れ替わるように最近わいてきたのは「自分の体に合った服」を着てみたいという思いだった。
「好きな服」ではなく「自分の体に合った服」。
もっとシンプルな服で、自分の素の魅力みたいなものを見つけてみたいと思った。「年齢に合った」という言葉は好きじゃないけど、好きな服だけでなく「私こういう服も着られるんだな」と思えたら、三十代半ばに近づいて今なお迷走していて、自己否定と自意識過剰を隠し持った(隠せてないかもしれないけど)自分のことを、好きになれるような気もした。
シンプルな大人服をみつけるために参考になったこと
トミヤマさんの本には、ふだんは圏外ファッションの人間がすてきな大人服を着るためのヒントがたくさん詰まっている。「おしゃれはコソ勉」といいながら、すべてを面白く楽しくあかしてくれるので、読んでてすごく面白いし参考になる。
とくに具体的に参考になったのはこちら。
・ワンピースの選び方
・ヒールを履かずにおしゃれになるには
・Vネック初心者でもできるVネックの選び方
・眼鏡の選び方
トミヤマさんのビフォーアフターの写真もあって、変化がわかりやすい(でもやっぱりビフォーの圏外ファッションも好きだし、いちご柄のパンツでガムテープをもっている写真は最高です)。
本を参考に服を買ってみた
トミヤマさんの本と、後に買った骨格診断の本を参考に、いくつか服を買い足すことにした。骨格診断の本は初めて読んだけど、こちらもとても面白かった。
骨格診断は主に「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」の3パターンに分類されている。自己判断だけど私はたぶんストレートっぽいので(手足が小さい・首が短いなどから)、ストレートに合いそうな服を試しにユニクロなどで選んだ。
・デニムのスカート(ミモレ丈)
・黒白チェックのタイトスカート(トミヤマさんが着てて素敵だったので似たやつを探してしまった)
・メンズ(S)のVネックTシャツ(ユニクロ)×黒・グレー・白
着てみると、新たな問題が勃発する。素材が薄いと体のラインをひろうので似合わないっぽいとか、かたちは好きだけど体の気になる部分が目立つとか。難しい。
圏外ファッションの時は、あんまりそういうことを気にしていなかった。自分の体を見ているようで見ていないというか、無意識のうちに隠すように、見ないようにして、覆っていたところもあるかもしれない。ゆったりめのトップスやワンピースが多かったし。
けれど今、この服のここが合う合わないに気づくということは、自分をよく見ているという証拠だ。首や腕やお腹、ふとももからふくらはぎなんかのかたちを、近くから遠くから隅々までよーくみているから、なんとなくでも「似合う」「似合わない」をキャッチすることができるのだと思う。それは私にとっておおきな発見だった。自分をよくみるということは、自分を好きになることへのはじまりなんだなと思う。
トミヤマさんの本は、ファッションだけじゃなく、自分を好きになるためのヒントも与えてくれたような気がする。読み物としてめちゃくちゃ面白く、かつとても実用的でもあるので、自分と同じような感覚の人はもちろん、それ以外の人もふくめて、いろんな人に読んでみてほしいです。
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