道を訊かれがち
よく道を訊かれる肩がまるいのでやさしい人だと思うのでしょう/松田弘子
以前このような短歌をつくりましたが、私は割とよく道を尋ねられます。まるっこちくて人畜無害そうに見えるんだろうなと思います。今日も郵便局の場所を訊かれました。
十代の頃は普通にしていても「何をおこっているの?」と友だちに言われるくらいのおこり顔だったのですが、今ではあまりそんなこともないようです。
顔といえば、小学生のときに国語の教科書に載っていた「いわおの顔」という話が印象に残っています。山奥に住んでいる男の子が、山の岩肌が男の立派な顔に見えて「いつかあのような立派な人に会いたいものだ」と思っていたけれどその立派な人は現れず、少年はおじいさんになって、そのことを人に話していたらその人が、「あなたこそ、あのいわおの顔にそっくりです」と言ったというような話でした。何が言いたい話かわからなかったので印象に残ったように思います。今調べたら、Nathaniel HawthorneのThe Great Stone Faceという短編らしいですが、もしかしたら私が覚えてるのと本当はだいぶ違う話なのかもしれません。