ゴマ油

キッチンの片隅でゴマ油を見かけた。
最後にいつ使ったかも解らない状態でした。
それでもゴマ油は独特の存在感を放ち、僅かに微笑んでいるかのようでした。
いつかは料理の決定打になることを夢見て。
そう信じて疑わない、あなたはまるで貴婦人かのようで、そこには気品すら感じるのでした。
ゴマ油はただそこにいるだけで、料理を盛り上げてくれる。
まるで料理界の総大将のようで。
ただそこにいるだけで、全てが許されるような。
そんな気配すらするのです。
ゴマ油よ、どうぞこれからもその存在感でいてほしい。
そしてぼくの料理を盛り上げてほしい。
ただそこにいるだけでいいんだ。
どうかずっとぼくのそばにいてほしい。
ゴマ油よ、永遠に。

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