辛味ってなに?
「辛味」ってなに?
いきなりで悪いけれども、もう我慢出来ない。
「辛味」ってなんなの?
まるで辛いという味がこの世にあるみたいな言葉だなって。
やあやあ我こそは数ある味覚のうちの辛味だぞよと、大手を振っているかのような。
いいですか、皆さん。
辛いという味は、この世にはございません。
あるのは辛いという名の痛覚でございます。
あれはただの痛みなんですよ。 騙されないで。
それをよくもまあ、いけしゃあしゃあと辛味なんて名乗れるものだな?
辛味じゃ無くて痛みじゃろうがい!! 何を勘違いさせようとさせてくれとる?
都合の良い言葉で目を閉じようとするな、 目を覚ませ、 痛みだぞ。
ああ、皆さまはこう思うでしょう。
「また甘党が何か言っている」 「辛いのが苦手なだけでは?」 とね。 そうお思いでしょうとも。
しかし待って欲しい。 確かにぼくは甘党ではあるものの、 辛いものも十分いける口だ。
キムチは大好きだし、カレーも大好きだし、この間はデリーのカシミールを食べた。
別に辛いものを苦手としている訳ではないし、辛いものの中にも美味しいものがあることは十二分に知っているところだ。
ただ、それはそれとして。
辛いは味覚じゃ無くて痛覚だろ。
最近だと「旨辛」なんて言葉も出てきているが、どうにも許せない言葉だ。
まるで旨味に辛さが一役買っているかのような物言いだ。
ぼくとしては、許せる範囲の言葉としては。
美味いけど辛い。辛いけど美味い。
別個に分けて考えて欲しいのだ。
だってどう考えても辛さは味覚じゃないから、どう考えても辛さは味覚じゃないから!! 明らかに痛覚だから!!
辛い、それはそれとして美味い。 と、思える食べ物があるだけではないだろうか?
辛いから美味いとか、そういうのは、まやかしに思えてならないのだ。
そんなあるか? 辛くなければ美味しくないと思えるものなんて、 ぼくには無い。
辛くないキムチも、甘口のカレーも十分美味しいのに。
逆に甘くないと美味しくないものはいっぱいあるのに
甘さ控えめで嬉しいことはあまりないが、辛さが控えめで嬉しかったことはたくさんあるよ。そう考えてもやっぱそこまで辛さって要らないよ。
でも、デリーのカシミールはうんと辛くして欲しい。
食べてるときに涙が止まらないくらいの辛さであってほしい。
あれはああいう食べ物だからこそいいのだ。
人間はワガママなのだ。