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「牧師夫人の徒然なるままに」(八七七)「アポロに対するプリスカとアクラ」(使徒18・26)
使徒の働きに出てくるアポロという人物は、とても雄弁で説教が上手だったようです。人々は、彼の言葉に引き付けられて熱心に話を聞いていたようです。
しかし、残念なことに彼が得ていた福音は旧約聖書と、ヨハネのバプテスマ、イエスさまについての間接的な情報でしかなかったようです。第一コリントの一章十二節によると「あなた方はめいめいに、『私はパウロにつく』『私はアポロに』『私はケパに』『私はキリストにつく』と言っているということです。」と、当時の教会がそれぞれの説教者の「推し」(?)のような応援をすることで分裂状態に近い危機に陥っていたような気配を伺わせます。
人はもてはやされると間違った方向に走りやすいものです。雄弁で、学者で、説教がうまかったアポロもそのような罠に陥る危険は十分にありました。
使徒の働きに登場するプリスカとアクラ夫妻は、決して雄弁な説教者ではありませんでしたが、福音宣教に大いなる貢献をしました。当時の「今や時の人」とも言うべきアポロを「招き入れて」(18・26)イエスさまの福音の本質を説いて聞かせたのです。アポロの自尊心を傷つけることなくより正確な福音を語り伝えたのです。感謝なことには、峰町にも、こんなご夫妻が何組もいらっしゃいます!!
安食道子