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「牧師夫人の徒然なるままに」(八六〇)「星野富弘さんのこと」

 教会員のTさんは、長らく星野富弘さんの栃木支部  

の後援会に所属し、先頭に立って支援をしておられます。富弘さんが天に召されるとほぼ時を同じくして、彼女は宇都宮での「富弘展」を企画し、来年の四月にFデパートでの開催が決まりました。多くの方々が富弘さんの作品に触れることで、その生き方を導いておられた方に出会えることを願います。

 さて、Tさんが富弘さんの『洋梨』を描いた作品を紹介してくださいました。あまり、知られていない作品かもしれませんが、そこに記された詩を、私は涙で曇る目を拭いながら読みました。

 「あなたからの贈り物

  固くて不自由で私には重すぎて

  でも あなたが私を選んで贈ってくださった

  今では 私の人生を輝かせてくれる大切なもの

  やっとお礼が言えるようになりました 

  この身体 ありがとう    」

 どんな時にもユーモアを忘れなかった富弘さんは「ようなし」という言葉に引っ掛けてこの詩を書かれたのだと思います。富弘さんが事故で失ったお体の自由を受け入れることが出来るまでには、計り知れない苦悩があったのですね。しかも「ありがとう」と感謝をして。その信仰の篤さが、私の心を揺さぶります。

安食道子

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