メッセージ要約 2024.5.12 「契約のしるしとしての虹」
創世記9章1〜17節
創造主なる神が人間を造り、この世界を治めるように委ねられたのですが、
① 神の祝福
(1) 人口の増加
「神はノアとその息子たちを祝福して彼らに仰られた。『生めよ。増えよ。地に満ちよ』〈1〉」これは、アダムとエバに対する祝福と同じものです。洪水によって裁かれるほど悪に汚れ果てた人類です。「もう、人間に対する期待はしない。人間はもう8人のままでいい。」と言われてしまっても不思議ではありません。しかし、神の宣言は人間に対する愛と期待に満ちたものだったのです。さらには、アダムの時代から任せられていた動物の支配も命じられました。神は人間を信頼して動物を委ねてくださったのです。
(2) 食糧問題
一年にも及ぶ洪水の結果、食糧となるべき木の実も、野菜も穀物も手に入らなくてなり、ノアたちの前途には、食糧の問題が立ちはだかりました。そこで神は「生きて動いているものはみなあなた方の食物となる。〈3〉」と肉食の許可を与えたのです。
(3) いのちの尊厳性
神が許可された肉食について、「ただし、肉は、そのいのちである血のあるままで食べてはならない。〈4〉」という一つの条件が付けられました。エデンの園でも一つの禁止命令があったように、ここでも一つ加えることで、たとえ動物のいのちでも神が与えたものであることを忘れて欲しくなかったのです。
そして、動物のいのちを軽んじる者はやがて人のいのちも軽んじるようになります。そこで、「わたしはあなた方のいのちのためにはあなた方の血の値を要求する。〈5〉」と警告し、「人の血を流す者は、人によって血を流される。神は人を神のかたちとして造ったからである。〈6〉」と言われました。
人のいのちを奪った罰は、自分の肉体の死で償うのです。私たちの罪を贖うために、神の御子が十字架で血を流し、いのちを差し出してくださいました。この神の愛を拒否する者に相応しい罰は永遠の死です。
イエス・キリストは私たちを罪と死の滅びから救出するために、神の国から遣わされたエイジェントなのです。この方に信頼して身を委ねるなら救われます。
② 神の契約
(1) 契約の主体
神は「わたしは、決して再び人のゆえに、大地にのろいをもたらしはしない。〈創世8:21〉」と言われましたが、それをより確かなものとするために、「見よ。わたしは、わたしの契約をあなたがたとの間に立てる。〈9〉」とおっしゃり、契約を結ばれました。この契約の発案者は神ご自身であり、契約の主体も神ご自身になります。神が一方的に契約を立てて、それを実行してくださるというものです。
(2) 契約の対象
この契約の対象は、「ノアと息子たち」と「その子孫」及び「ノアたちと共にいるすべての生き物」です。神の祝福の約束は動物界にも及びます。そして、この恵みはイエス・キリストの再臨の時、被造物全体に及ぶのです。
(3) 契約の内容
神が人と動物とに立てられた契約の内容は「すべての肉なるものが、再び、大洪水の大水によって断ち切られることはない。大洪水が再び起こって地を滅ぼすようなことはない。〈11〉」この約束によって、ノアの大洪水が全地球規模のものであったことがわかります。
(4) 契約のしるし
この契約は「永遠の契約〈16〉」ですから、契約のしるしも一時的なものではいけまけん。神が契約のしるしとして指定されたものは「虹」でした。ノアの大洪水の後、人は雨が降る度に、また大洪水が起こるのではないか恐れたでしょう。しかし、雨の中に虹を見る時、人は安心するのです。
この世界は大洪水によって滅びることは二度とありませんが、永遠に安全というわけではありません。「しかし、今ある天と地は、…火で焼かれるために取っておかれ、不敬虔な者たちのさばきと滅びの日まで保たれているのです。…〈Ⅱペテロ3:7〉」とあるように、火の裁きがあるのです。この裁きから逃れるために神が全世界に示されたしるしが「イエス・キリストの十字架」です。(S・S)