メッセージ要約 2023.7.16 「エデンの園に置かれた人間」

○創世記2章4節~17節

 人は、自分が何者なのか、自分のアイデンティティ(自己同一性)が確認できないと不安である。私たちのこの存在の源は誰でしょう?もちろん、皆さんは自分のお父さんとお母さんご存じだと思いますが、その先はどうでしょう?ずーっと辿っていくと、どこに辿りつくのか?まさか、猿だと思ってませんよね?今日は、私たちの存在の原点について書かれている個所から、学びたいと思います。

1.人間の創造

 1章で神様が人間をお造りになりましたが、どのようにして造ったのかが7節に書かれています。

7節「神である主は、その大地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。それで人は生きるものとなった。」先ず神様は、人間の肉体を、「大地のちりで人を形造った。」つまり、私たちの体は、土ですよ。土から取られているのです。人の肉体は、死んで、土の中に埋めますと、何十年かすると、完全に土に戻ります。ということは、土を構成している元素と、私たちの肉体を構成している元素が同じであり、土から取られたからです。

 でも単なる土の塊じゃない。その土の塊の中に神様は、「いのちの息を吹き込まれた。」と書いてあるんです。いのちの息というのは、神の霊です。これが、神の形に似せて造られたという部分です。創造主なる神様と、交流できる存在として、私たちは造られているのです。私たち人間は、土の塊にしか過ぎませんが、その中に神の命を宿しているということです。

2.エデンの園

 この人間が、どこに置かれたと言いますと、8節「神である主は東の方のエデンに園を設け、そこにご自分が形造った人を置かれた。」エデンというのは、かつてメソポタミア地方に実在した場所です。神様は、そのエデンと呼ばれる場所の東側に園を設けたと書いてあります。ヘブル人にとって、東は一番いい場所であり、その素晴らしいエデンのさらに一番いい場所に園を造って、アダムを置いたのです。神様がいかにアダムを愛されていたか。大切に思われていたかということがわかります。このエデンの様子が10節に書いてありますが、エデンを水源とする川が、エデンの園を潤していて、4つの川に分かれていました。(1番目のピション川、2番目のギホン川、3番目のティグリス川、4番目のユーフラテス川)

3.エデン契約

 そこで神様は、このアダムとエデン契約という契約を結びます。エデン契約には3つの内容があり、1つ目の契約は「使命」で、神様は、エデンの園に人をやってそこを耕させ、また守らせるようにされました。日本庭園の様に、自然界は人間の手が入ると、より美しくなります。神様がお造りになった世界を、さらに美しくするために、人間にその管理という使命が与えられたのです。耕すことは、労働であり、現代では労働は苦役ですが、この時は喜びであり、楽しみでありました。2つ目の契約は「許可」で、16節「あなたは園のどの木からでも思いのまま食べてよい。」との許可が与えられました。3つ目の契約は「禁止」で、エデンの園の中央に、特別な2本の木があったが、17節「しかし、善悪の知識の木からは、食べてはならない。その木から食べるとき、あなたは必ず死ぬ。」という警告でした。

 ではなぜ、神様は「許可」しておきながら、「禁止」されたのか。それは、神様が私たちに「自由意志」「選択する喜び」を与えられたからです。人間は神の奴隷ではない。強制ではなく、自分の意思で、神様に従うことで、神との信頼関係や愛情が深まっていくことを神様は期待されたのです。でも、残念ながら、アダムは「禁止」を破り、契約を裏切ってしまったのです。

4.人類の祖先としてのアダム

 アダムという人物は、歴史上の人物であり、最初の人間です。アダムが歴史上の人物でなくて、単なる想像の架空の人物だとすると、パウロのローマ人への手紙5章19節「すなわち、ちょうど一人の人の不従順によって多くの人が罪人とされたのと同様に、一人の従順によって多くの人が義人とされるのです。」という言葉が意味をなさなくなります。

 アダムの不従順によって、アダムの罪によって、人間の中に罪の性質が宿ってしまった。でも、一人の人イエス様がやって来られて、その贖いによって、すべての人を義とする道が開かれたのです。アダムが架空の人物だと、イエス様の十字架の贖いは、意味をなさなくなるので、イエス・キリストもアダムも歴史上の人物です。ですから、この十字架の贖いの業が完成するんです。今日の結論は、「人間の先祖は、人間」ということです。しかも、最初の人間は、我々よりも遥かに素晴らしい存在として造られた。そういう意味で、人間は進化してきたのではなく、退化してきました。

この最初の人間は、神の最高傑作です。私たちも神の作品だと聖書は言います。私たちのルーツは、猿ではありません。アダムです。神に愛され、特別に造られた最高傑作。それが、私たちのルーツです。その同じ神によって、私たちも造られ愛されている存在であるというアイデンティティをしっかり持って歩んでいきましょう。(T・H)

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