
「牧師夫人の徒然なるままに」(八八一)「顔に汗を流して糧を得」(その2)(創世記3・19)
今年も講壇上に、大きな美しいリースが飾られました。このリースは二〇二二年に天に召された谷田部伸彦さんが生前、まだ発病前に作られた物が基軸になっています。天に召されて以降は奥さんの道代さんが、材料を差し替えて作品を保ってくださっています。今年は沢山のホオズキが織り込まれています。その穏やかな朱色が優しい落ち着きを醸し出してくれています。
さて、伸彦さんは生前、幼児教育に携わり、奥様と共に学童保育に尽力されました。
先週、私は北欧の国々で紙の教科書教育に回帰し始めていると書きました。伸彦さんは教育者としての立場から早くからその思いを共有されていた方でした。
生前の伸彦さんの日記の一文を掲載させていただきます。アンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』を読んでの感想です。「生身の人間と接することの重要性、遊ぶことが能力を育てること、電子書籍より紙の本が良い理由、キーボードで打ち込むのではなく文字を自らの手で書く必要性…私がボンヤリと言ってきたことがすべてこの本に書いてある。嬉しい。」伸彦さんは児童にコマ回しをさせ、ケンカを含めた濃厚な接触を勧め色鉛筆を小刀で削らせました。すべては神が与えた体を使った訓練への促しでした。伸彦さんに北欧の教育転換をお知らせしたいです。拍手してくださるでしょう。
安食道子