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「牧師夫人の徒然なるままに」(八七六)「後継者を育てるために」

 「ここに飢えた者がいる。魚を与えれば飢えは癒されよう。また、魚の採り方を教えれば、この先飢えずに済むであろう。だが、もし自分で魚の採り方を身に着けられる環境を作ってやれば、この先飢えずに済むばかりか自尊心も持つようになるだろう」こんな文章を目にしました。

 私は、いい歳になりました。俗にいう老人というグループに立派に仲間入りしています。本人は時々それを忘れていますが、周囲の必要以上の気配りに「年寄扱いを受けているなあ」とありがたく思う次第です。

 教会で五十年近く続けてきたご奉仕も、いつまで続けられるのでしょうかと思い始め「主よいつ引退するべきでしょうか」と問いかけるようになりました。

 後継者を育てることは、どのような事業であっても、ご奉仕であっても大切なことだと思います。けれども、そのままの踏襲だけが良いとは限りません。時代はどんどんと変わっていっているのですから。

 古来「今の若い者たちはーー」という不満を漏らしながら、老兵は去っていきました。そして、引き継いだ次世代は、それなりに新しい方法で、引き継いだものを発展させてきたのです。きっとそれでいいのだと思います。次世代には次世代なりの自尊心があり、冒険心もあります。峰町の次世代よ!張り切って行け! 
安食道子

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