
「牧師夫人の徒然なるままに」(八九二)「次世代への継承について」(その1)
昨年暮れに黒沢リンさんの「クリスマス・コンサート」が開かれました。リンさんが山内修一さんのゴスペルフォーク作品集「忘れないで」のCDを発表された記念も兼ねてのコンサートでした。いつもながら、ストレートに天に届く明るく澄み切った歌声は聴衆の心を暖かな思いで満たしてくれました。
わたしは一九七〇年代に信仰を持ちました。丁度、山内修一さんがゴスペルフォークを掲げて日本中の教会に新しい賛美の風を巻き起こしていた時代です。簡単なコード進行に、素直な旋律、音楽の学識?がなくても何のその、その歌詞とメロディーはまっすぐに神様へ思いをお届けできる最良の手段でした。
今、教会には、その世代の「熟年層?」が残されています。私も「賛美の会」でその世代の方々と共に懐メロとも言うべき「友よ歌おう」を口ずさんでいます。
黒沢リンさんが、やがて消え行くであろう私たち熟年層が愛した曲を歌い継いで下さったことはこれからのキリスト教界にとって大きな遺産になると思います。
実は、リンさんのCDを最初に聴いた時には、その不思議なコード進行に驚きました。これは昔のとは違うぞ!という思いでした。でも、次世代に継がれるとは「新しいものとして」継がれる必要があると納得させられています。新世代にも愛されるものとして。
安食道子