緊張性気胸
気胸とは、肺の中の空気が何らかの原因で肺の外の胸腔内に漏れることで、肺がしぼんでしまった状態のことを指します。
肺内の空気が胸腔内へ漏れても、胸は肋骨に守られているため、外側に膨らむことができません。その結果、肺が漏れ出た空気に押しつぶされてしぼんでしまいます。
症状としては、胸痛・呼吸困難・咳などが挙げられますが、気胸の重症度は大きく軽度・中等度・高度・緊張性の4つに分類されます。
この中で最も重度なのが緊張性気胸で、漏れ出た空気が肺や心血管を圧迫するため、放置すると呼吸困難に陥るだけでなく、血圧低下やショックなどが起こる可能性があります。
適切な処置が遅れると命にかかわることもあるので、一刻も早く適切な治療を受けることが重要です。
なお、気胸は肺嚢胞が破れることで起こる「特発性自然気胸」、結核や間質性肺炎などの肺疾患が原因の「続発性自然気胸」、交通事故などの外的な要因で引き起こされる「外傷性気胸」、女性の月経前後に起こる「月経随伴性気胸」といった種類に分けられます。
これらの内で最も多いのは特発性自然気胸で、特定の原因がないのが特徴です。長身で痩せ型の若い男性に多く、寝ている間に発症するケースもあるので注意が必要です。