私にとっての「敵」はワクチン肯定派でも否定派でもなく・・・

ワクチン接種をすべきと思う人は接種すればよいし、ワクチンが危険だと思う人は接種しなければよい。身近な人に自分の意見を伝えるのもよいだろう。

私にとっての敵は肯定派でも否定派でもなく「他人に自分の意見を強要するもの」「デマやウソをまきちらかす愉快犯」「全体利益を損なうヤカラ」「他人の権利を侵害する連中」だ。

私が接種に賛同するとしても、接種しないと判断した人間に大した理由もなく接種を強要する連中は確実に敵だ(たとえば医療機関や介護施設で働く人は接種せざるを得ない)。

一方で、私がワクチンを危険とみなしているとしても、ワクチンの保管冷蔵庫のコードを引っこ抜く活動を推奨する輩も明確に敵だ。

正解が見えづらい場合は個々の人間が個々の判断で自分の人生を決断すべきだと思う。立場も状況も性別も年齢も知識量も異なるのだから、それぞれが見える「現時点の正解」が様々になるのはむしろ当然のことだ。その証拠として賛否両論となっているのである。

現実世界は将棋のように「情報全公開」ではない。麻雀のように戦場の霧が立ち込めていて「見えない情報」の向こう側にある。神ならぬわれわれ人間にできるのは、あくまでも確率統計的な正解率が高い選択肢までであり、完全正解がわかるのは、あくまでも結果論としてでしかないのだ。

「私だけがこの陰謀論を見抜いた」「ほかの人々は騙されている!」という先見力がある方は周囲をやんわりと説得するのはよかろうが、必要以上に他人の権利侵害に走るのではなく、その先見性で「投資」でもしてその先見性を証明したらよかろう。それぞれの人生はそれぞれのものだ。ある程度の説得で他人の意見を変えられないからと言って過激な手段に訴えるべきではない。

「愚行権」という考え方もある。「自分の意見をわかってくれないわからず屋」を罵倒するのではなく、彼らの愚行権を尊重してあげる余裕をもってはどうかしら? わからない人にはわからない、仕方がないと受け入れる。それよりも自分の人生を生きることに専念すればいい。

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ハナー
CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。