問題対処方針(将棋の応用)

毎度ながら自分なりに掘り下げを。今回のテーマは「問題に対処する方針」を主に将棋で攻められた時の応手から転用してみました。

まず攻められた時、大問題にぶち当たった時の大方針、分岐その1は「応じない」か「応じる」か。
応じる場合は次の中方針、分岐その2である「取る」「避ける」「受ける」につながります。
最後に受ける場合の2種類の分岐その3が「間駒」か「しっぽ」です。

では個別に私見をば。

まず分岐その1ですが、応じるのは即座に手軽に解決する方法がある場合や重大な問題の場合。反対に応じないのは無視しても良い軽微な問題や適当な応手がない攻めの場合は放置します。いちいち応じてもキリがないという見切り、反対に考えてもどうしようもないという味で割り切り。出来ないことや悩んでも無駄な事で悩まないということですな。前者は優先順位、後者は領域論に通じるものがあります。いずれも見切りを誤ると大惨事。私は楽天的すぎるので相手の攻めを軽視して負けることが多い。相手の無反応に込められた意味をどっちに読み取るか? 応手に込められたメッセージは「そちらの手などたいしたことないよ」が前者。「そちらの手は防ぎようがないよ」というメッセージが後者。

続いて分岐その2、「取る」方針は問題を直接的、積極的に解決する姿勢の表れ。込められたメッセージは「それがどうした、相手してやるぜ」。「避ける」方針は相手の狙いや間合いをズラす意図が強い。狙われた駒の方が場所の保持よりも大事な場合に行われる。読み取れるのは「仕方ない、場所はくれてやる」。

最後の分岐その3で「受ける」場合の細かいところが決まる。まず、対遠距離攻撃の場合に行う「間駒」は狙われた駒よりも相対的に価値の低い駒を使ったカバーリングである。込められたメッセージは「わりぃが、そいつも場所もくれてやるわけにはいかねーんだ」。続いて王手の時以外に限定される「しっぽ」は狙われた駒を取られた時に取り返せるように別の駒で支えること。込められたメッセージは「駒はやるが、場所は譲れねーな」。

大ゴマ(飛角)や桂に対応しづらい理由も上記から読み取れる。そもそもアウトレンジ攻撃は取りにくい(飛角桂香)。避ける方向が限定される(飛角香)。そもそも受止め不可攻撃(桂)。特に数的不利でも状況を覆せる角と桂馬のコンビは重宝する。

こちらの言い分(指し手)を通すにはそこに理論(棋理)がなければならない。局所的な強弱はそれで決まる。攻める時は相手の応手を予測して、受ける時も相手の次の攻めを予測して指す。

一般的な問題に対処する場合も分岐その1「対処するかしないか?」。分岐その2「強気に出るか、弱気にかわすか?その他を頼るか?」分岐その3「カバーリングしてもらうか、支えてもらうか?」なのかなと。

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ハナー
CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。