エールホームクリニックで働くようになり、気づけば1年以上の月日が経っていました。
医師になってから20年が経ちましたが、これほど濃密な1年間はなかった気がします。
さまざまなことに従事し、また経験する機会がありました。
わたしが専門とする皮膚科診療では、昨年4月の診療開始からどんどん受診される患者さんが増えていくところを目の当たりにしてきました。
昨年からつづくコロナワクチン接種を数多くやってきたのも、当クリニックに来なければ経験することはなかったと思います。
そんな中で、医療行為とは離れますが、このクリニックに来なければおそらくしなかったであろうこととして、このドクターズコラムの執筆(?)が挙げられます。
ふだんほとんど意識したことはないのですが、ふと考えてみると医師は「書く」という作業と切っても切れない職業であると感じます。
一番の「書く」作業は、日々の診療録(カルテ)の記載です。
医師という仕事は一般的には、患者さんと話しをして、診察をして、薬の処方や処置をするものと思われているのではないかと想像しますが、診療録を記載するのも重要な業務のひとつなのです。
さらに医師になる前の段階を振り返ってみると、医学部受験に際して多くの大学では、入学試験に小論文を課しています。そして大学入学後は、さまざまなレポートの提出を課され、試験の答案用紙に解答となる文章を書く機会もたくさんあります。
ただ診療録をはじめとしたこのような文章は、記載内容にある程度制限がありますので、比較的「定型文」に近いものでもあると思います。
一方で、このドクターズコラムは、基本的にテーマは自由で、文章量にも制限はありません。
「書く」という作業にいつの間にか慣れているはずの医師でも、「自由テーマです」といわれるとなかなか戸惑うものです(わたしだけかもしれませんが…)。
また、医療機関のホームページに出ているコラムというと、なんとなく先入観的に医療ネタを提供するのかなというイメージもあります。しかし、当コラムでは、複数の医師が持ち回りで担当をし、そのときに感じたことや身の回りで起きていること、過去に経験したことから学んだことなどが自由に書かれています。
わたし自身も書く側なわけですが、一緒に働いているみなさんの文章を読むのがとても楽しみで、完全に一読者になっています。
「自由テーマ」に対して、医師それぞれが知恵を振り絞って書いているドクターズコラムを今後も楽しみにしていきたいと思います。
これを読まれている勘の鋭いかたは、「テーマが見つからなくて、ドクターズコラムそのものをテーマにしたな」とお感じかもしれませんが、これもご愛嬌ということでご容赦いただければ幸いです。
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