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補助執行という言葉が市議会でどのように使われたか。
どうやら、市当局が使うこの言葉は、補助執行する機関への実質的な権限の移行を意味しているようだ。「補助執行される」側は、「報告を受ける」だけで、重要事項についても、審議事項として扱うことを放棄している。
(文化財担当課長)
"北九州市の文化財保護に係る教育委員会と市民文化スポーツ局の権限、役割分担について説明いたします。 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第21条では、教育委員会の職務権限が規定されており、その中に文化財の保護に関することが含まれております。一方で、第23条で、職務権限の特例が規定されております。北九州市の場合は、表の一番右側のスポーツ及び文化に関する事務を管理し、及び執行する機関に関する条例では、市長の権限で執行している事務は、⑥スポーツに関すること、学校における体育に関することは除きます。⑦文化に関すること、文化財の保護に関することは除きますとなっております。そのため、文化財の保護に関する事務については、平成24年から市民文化スポーツ局長等が専決規程に基づき補助執行を行っております。このうち文化財保護に関する重要なものは、市民文化スポーツ局長の専決から除外されております。これは、北九州市教育委員会事務専決規程に規定をしております。実際に、表の中欄にあるように、市民文化スポーツ局長が専決できる事項として、①から⑤について、北九州市教育委員会事務専決規程に規定をしておりまして、そのうち①から④の重要なものについては、左側の欄にあるように教育委員会に諮らなければならず、これまで文化財保護審議会の委員の委嘱や条例、規則の制定、改廃について教育委員会に諮ってきております。そのため、文化財保護に関する事務は、市長の権限ではなく、教育委員会の権限であり、そのほとんどが市民文化スポーツ局長等が補助執行しているものでございます。"
(令和6年3月6日教育文化委員会)
なお、文化財担当課長とは、市民文化スポーツ局文化企画課長の井上智史氏。
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"◎文化財担当課長 ホームページの件につきましては、確かに文言のチェックがあった際に確認が取れて、不適切、正確性を欠く表現だったということで、これはもう行政サービスとして行っていることでございますから、即座に修正するというのは必要な行為だったとは思っております。 先ほどの建議の件につきましても、先ほど局長が言いましたけど、もともと昭和39年に文化財保護審議会、当時は調査委員会という名称でございましたけど、それを設立しております。そのときに、文化財保護法に都道府県、また、市町村、要は地方公共団体に文化財保護審議会をつくるという規則がございませんでしたので、地方自治法による附属機関による条例を基につくったという経緯がございます。我々も、他都市の条例、規則等々を調べておりますけど、規則上に建議できると書いてあるのは、たしか6都市だったと思います。そのほかは、建議できるという規定は設けてはいないと。実際の運用でどういうやり方をされているのかは分からないんですけど。あと、実際に何都市か確認したときにも、建議は出たことがないという実例とかというのはございました。以上でございます。
(令和6年3月6日教育文化委員会)
なお、文化財担当課長とは、市民文化スポーツ局文化企画課長の井上智史氏。
"◎総務課長_門司港の複合公共施設に門司図書館が入りますので、その関係で資料は頂いておりました。文化財一般というお話でありますと、補助執行先の市民文化スポーツ局からは、市の指定文化財とか、要は文化財の指定をしたときは、教育委員会会議において報告という形でお知らせをいただいております。"
(令和6年3月6日教育文化委員会)
教育委員会総務課長久保慶司氏
「報告」するだけでよいと考えられていることがわかる。
◎市民文化スポーツ局長 本市の文化財保護審議会につきましては、いわゆる教育委員会の諮問に応じて、市の文化財についての審議を行っていただいて答申するというようなルールになっています。これまでは、北九州市の文化財への諮問という形で運用されてきていると。今回は、そういった意味では、文化財登録に向けた価値づけには至らなかったという案件でしたので、諮っていないという状況でございます。以上です。
(令和6年3月6日教育文化委員会)
なお、市民文化スポーツ局長は、井上保之氏。
誰が(市民文化スポーツ局長or教育委員会)どこ(教育委員会or文化財保護審議会)に諮ることになっていると認識しているのだろうか?
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