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普通の人のためのDNA解析

荒川央氏が先日亡くなったモンタニア氏の論文を紹介していました$${^{1)}}$$。
 
モンタニア氏はフランスの分子生物学者でエイズウィルスの発見でノーベル賞を受賞した研究者でコロナのmRNAワクチンに常に警鐘を鳴らし続けていました。
 
この論文でフランスのコロナワクチン接種後のクロイツフェルドヤコブ病 (CJD)、すなわちプリオン病の発症について述べており、26の症例がワクチン接種後11日程度で発症し発症から数ヶ月で死亡したことを報告しています$${^{2)}}$$。
 
CJDは10年以上潜伏し発症後半年から3年で死に至る緩慢に進行する病気です。フランスではコロナ騒ぎの2019年以前の10年間で28例のCJDの発症が記録されているだけですから、この加速型CJDの異常な発生頻度はワクチンによるものといわざるを得ません。
 
Sars-CoV2のスパイク蛋白にはGxxxGというプリオン病に特徴的なアミノ酸配列が存在します$${^{1,3)}}$$。武漢型では7つ、Sars-CoV1とオミクロン型で6つ、季節性コロナのNL63で4つあります (図1)。このモチーフが出てくる確率は1,273アミノ酸の武漢型Sars-CoV2のスパイク蛋白なら3.17個ですからランダムな発生頻度よりは多く存在していることになります。

また武漢型ではほかのコロナウィルスには存在しない蛋白変性を誘発するプリオン様ドメイン (PrD)が存在します$${^{4)}}$$。このドメインはオミクロンではなくなっていますが、ワクチンでは保持されています。このこともワクチンが加速型CDJを誘発したことを示唆しています。
 
本当にそうなのか?専門家の言っていることを鵜呑みにしてはだまされる。このブログでは普通の人でも専門家の言っていることを一次資料から検証することを目的としていますから、素人なりにDNA解析をしてみることにしました。
 
遺伝子はGCATという4つの塩基から構成されます。3つの塩基の配列に対して20種類あるアミノ酸の1つが決定され遺伝子から蛋白質が作られます。DNA解析の1次資料はDNAの塩基配列ということになります。
 
DNA配列はタダで調べることができます。普通は米国生物工学情報センター(NCBI )のサイト$${^{5)}}$$で調べます。Sars-CoV2 Wuhanと入れてやるとreference genomeがでてきます。nucleotideをクリックするとたくさんでてきますが、最初のNC_045512.1$${^{6)}}$$というのを開くと蛋白質のアミノ酸とDNAの塩基配列がでてきます。
 
スパイク蛋白は3つ目の蛋白質で21,563番目から25,384番目のDNA配列(ATG-TAA)にコードされていることがわかります。ATGは開始コドンでメチオニンが割り当てられています。TAAはアミノ酸が割り当てられていないので蛋白合成がここで途切れる終止コドンです$${^{7)}}$$。
 
オミクロンや20年前に中国で流行ったSars-CoV1、SarsのようにACE2を標的とする季節性コロナのNL63についても比べてみましょう。これらの遺伝子やワクチンの遺伝子配列も適当なWeb siteから探し出すことができます(表1)。

見つけてきた遺伝子配列やアミノ酸配列を比較するためのソフトもNCBIで提供されています。2つの配列の比較はBLAST$${^{13)}}$$、複数の配列を比べるmultiple alignmentではCOBALT$${^{14)}}$$というプログラムを使います。

こうして配列を比べて色付けなどして整理したものが図1です。
 
オミクロンは多くの変異を持つことで知られていますが武漢型とはアミノ酸配列で98%、DNA配列では99%一致しています。それに比べSars-CoV1はそれぞれ76%、75%とはるかにかけ離れた配列をもつことがわかります (表1)。季節性コロナのNL63は31%と54%さらにかけはなれています。
 
コロナウィルスのスパイク蛋白はS1とS2の二つのドメインに分けられます$${^{15)}}$$。S1にはACE-2との結合領域があり、結合後にS1は切り離されます。残りのS2ドメインはさらに細胞膜融合ペプチドの手前が切られることで活性化し細胞膜と融合します。
 
オミクロンはワクチン接種に対する耐性を獲得しているのでACE-2との結合部位に多くの変異を持ちますが、Sars-CoV2とCoV1の大きな違いはS1/S2間の切断部位のRRARというpolybasic regionでこの配列はSars-CoV1にはありません。Rはアルギニンという塩基性のアミノ酸です$${^{16)}}$$。
 
ここに塩基性のアミノ酸が入ると病原性が増すことがインフルエンザウィルスで示されています$${^{17)}}$$。このような配列が偶然入る可能性は低くこのウィルスが人工の産物であることが疑われている理由の一つです。この配列はオミクロンでも維持されています。
 
ワクチンは武漢型を元にして作ってありますからアミノ酸配列は武漢型と同じですが、DNA配列は発現効率を高めるために改変してありDNAのホモロジーは70%程度しかありません。遺伝子配列の中のGC含有量も武漢型やその他のウィルスでは40%弱ですが、ワクチンでは60%もあります。
 
変性型プリオノイドが凝集体を作るときその遺伝子のG-quadruplexという構造が凝集を補助します。GC含有量が高いとこの活性が高まり、このこともmRNA型ワクチンがプリオン病を発症しやすくしていることの一因であることが指摘されています$${^{18)}}$$。
 
G-quadruplexは遺伝子発現に影響を与えるので、ワクチン由来のGC含有量の高いmRNAが細胞内に大量に蓄積すると遺伝子発現のバランスが乱れ、プリオン病のような神経疾患のみならず免疫系疾患や発がんも促進する危険性も危惧されています$${^{18)}}$$。
 
しかし、加速型CJDはモデルナやファイザーのmRNAワクチンばかりではなく中国製の蛋白質ワクチンでも生じているようなので、必ずしもmRNA遺伝子によるのではないのかもしれません$${^{1)}}$$。
 
武漢型スパイク蛋白の682-688番目には核に移行するためのシグナル配列(NLS)があり、これもSars-CoV2に特徴的な配列です$${^{19)}}$$。細胞内で作られたスパイク蛋白質はNLSにより核内に運ばれSars-CoV2の毒性を高める一因であることが推定されています。
 
しかしこれもウィルスに存在するワクチンに特異的な構造ではありません。
 
ワクチンと武漢型ウィルスのスパイク蛋白質の唯一の違いは987、988番目のKVがPPに変えてあることです。proline (P)は環状構造をとっているためアミノ基とカルボキシル基のついている炭素の自由回転が制限されているため融合前の構造が安定に保たれる効果があります$${^{18)}}$$。
 
あるいは荒川氏が議論しているように$${^{1)}}$$、筋肉に注入され全身に循環するワクチン由来の大量のスパイク蛋白質は直接脳に達してプリオン病を発症する確率が異常に高いのかもしれません。あるいはワクチンによる過剰な抗体誘導がスパイク蛋白質のプリオン様変性を促進しているのかもしれません。
 
自分でDNA配列を眺めていると、専門家の話を聞いているだけでは見えてこないものが見えてくる場合もあります。DNA解析はパソコンさえあればタダでできる安上がりな解析ですから、普通の人も暇つぶしにやってみるといいと思います。
 
1) 荒川央、note、2023/2/18
2) IJVTPR, 3, 727 (2023)
3) mbi, note, 2022/11/19
4) Tetz G and Tetz V, Microorganism, 10, 280 (2022)
5) NCBI
6) NC_045512.1
7) wikipedia , コドン
8) AY390556.1
9) OM570283.1
10) AY567487.2
11) ModernaMrna1273.fa
12) ReconstructedBNT162b2.fa
13) Blast
14) Cobalt
15) 白戸憲也、ウィルス,  70:155 (2020)
16) Wikipedia , アミノ酸
17) Tse LV et al, J Virol, 88:1673 (2014)
18) Seneff S et al, Food Chem Toxicol, 164:113008 (2022)
19) Sattar S et al, bioRxin, 509633 (2022)