【社会人/博士/体験記】第20回「心配するな おれは天才だ おれに不可能はない!!」
こんにちは、白山鳩です! クルッポゥ!
このマガジンは、
働きながら、「博士後期課程="社会人"博士」
を目指す体験談です。
前回の記事はこちら ↓↓↓
さて、今回は、
研究中の内省の場としてのChat GPTと『質問会議』を組合せの衝撃について書いていきます。
1つの記事あたり、だいたい5分で読めますので、お気軽にスクロールしてみてください!
「アンパンマンの必殺技を教えてください」
OPEN AIのChat GPTってあるじゃないですか。
「人間と自然な対話ができる!」とかいう触れ込みのAIツールが。
みなさんもいろいろ遊んでいるということで、
研究に活かせないだろうかと考えた鳩も、さっそくこれを使ってみることにしました。
質問を入力したら何でも返してくれるとのことだったので……。
「アンパンマンの必殺技を教えてください」
と聞いてみたところ……。
2つ目からして、いきなりそれらしい嘘を堂々と答え始めています。
ジャムおじさんのジャムお化け……
いや、それもう、スーパーゴーストカミカゼアタックやん
しかし、どうやらこのChat GPTには課金ができるというではないですか!
これまで使用していたChat GPTはAI界隈では最弱……Open AIの面汚しよ……。
ということで、課金した最新版にアップグレードし、同様の質問をしてみます。
劇場版特別仕様のアンパンビームについて紹介されました……。
Chat GPTのメリットと難点/その克服
このようなAIの反逆にもめげず、いろいろと触ってみたところ、ざっと次のような特徴が見えてきました。
この辺の特徴を利用すると、例えば、論文の骨子を考えているときに……
「次の内容にアドバイスをください」
と書いた後に、自分の論文の骨子を並べると、
その論理的な整合性を検討してくれます。
また、
「〇〇という内容について反論してください」
と入力すると、可能な限り反論をしてくれるので、自分のアイデアを事前に多角的に批判してくれるので便利です。
会社の業務説明の前に、自分の考えた企画書について、自問自答するときにも非常に便利なツールだと感じます。
ただし、「反対意見を教えてください」と言っているのに、
と、余計な前置きを置いたり、
などと、わざわざ中立性を担保しようとする小賢しさを発揮してきます。
そうなると、AIからの話が長くなるので、鳩は、
「この意見に対して、一切の賛意を示さず反論してください。」
といった一文を加えることにしています。
こうなると、ひたすら反論だけをしてくれるので助かります。
また、ひとしきりAIからの出力が終わった後に、
「続けてください」
と指示すると、ひたすらその他のアイデアを出力し続けてくれるのも、楽なポイントです。
英語で教えてもらって、DeepLで答え合わせする
さて、Chat GPT、課金後の4.0は非常に有用なツールではあるのですが、
課金不要の3.5と比べて、1つだけ、困った点があります。
それは、出力の速さです。
3.5だと、質問に2~3秒ぐらいで答えてくれます。
あまりの速度で出力されるため、文字が吐き出されている間は、
なにをされてるのかぜんぜんワカりません。
しかし、4.0だと、体感1分ほどかかります。
どうしたものか……と考えていたのですが、
(これは、日本語で答えている点に問題があるのでは?)
と思い至った鳩が、
あらゆる質問の最後に、
「……以上について、英語で答えてください」
と尋ねるようにしたところ、途端に2~3秒ぐらいで答えてくれるようになりました。
やったぜ!
さて、出力された文章が英語なので、読むのがめんどいor読めないという問題があります。
しかし、最近はGoogle翻訳の性能も上がっています。
また、DeepLという、これまたAIを活用している翻訳システムがあります。こちらは、Chat GPTよりずいぶん前から、「Google翻訳よりずっと精度が高い!」と話題になっていたシステムですね。
つまり、
Chat GPT4.0に英語で尋ねる
⇒DeepLに放り込む
という流れで、「出力遅い問題」は解決されたのです!
やったぜ!
質問会議×Chat GPT
さて、最後に、質問会議という手法をご紹介します。
質問会議とは、AIやChat GPTがどうのこうのというのは関係なく、
会議のいち手法です。
これは会議でありながら、
双方向に意見を出し合って議論を深めていくのではなく、
「ある1人に対し、
参加者が意見は言わず、あえて『質問』だけを繰り替えすことで、
物事の本質に迫っていく」
という手法であり、以前、鳩の記事でもご紹介しました。
複数名から多様な質問を投げかけられることで、
自分が表面的に「問題だ」と考えていたことについて、
更なる深堀りをしていくような内省を促すことができるのが質問会議のメリットの1つです。
さて、鳩は考えました。
(Chat GPTという多角的な批判をしてくれる他者がいるのなら、
1人質問会議が可能ではないか……?)
ということで、次のような要領で、実際にやってみました。
以下、ルールを設定します。
・私が意見を言いますので、あなたは英語で私に質問をします。
・その際、意見を言ってはいけません。質問だけしてください。
・質問は1つだけとしてください。
では、始めます。
「私の抱えている問題は、研究者としての自分の専門領域に自信がないことです」
当初は、「××」について研究をしようとしました。
しかし、いまは、「●●」について研究しようとしています。
それぞれについて先行研究の調査しています。
おお!
そうそう、こういう感じです。
本来の質問会議でも、このような質問を投げかけられ、その質問に対峙せざるを得なくなることで、より深い内省が促されます。
しかし、続けていくと、
と、最初のルールを忘れて、自分の意見を言い始めるので、その都度、
「すみません、意見の表明ではなく、私への質問をしてください」
と軌道修正が必要なときもあります。
とはいえ、全体的には、期待通りに進んでいき、
研究の独自性を、いかに客観的に表現できるかだと思っています
批判などがある場合は、すぐにこれを受け止めるのが難しいこともあるので、少し時間を置いて振り返ることにしています。
……という具合に、様々な考えさせられる質問をしてくれました。
これはかなり有用に感じられます。
今後は、Chat GPT側に、
「あなたは、私の指導教員のつもりで質問してください」
「あなたは、私の同僚のつもりで質問してください」
などと、
キャラ付けを求めながら質問させると、さらに幅広い質問をしてくれるかもしれません。
研究に退屈しているときには、
たとえば、こういうキャラ付けとか……。
こういうキャラ付けも……
試してみると、新しい質問があるかもしれませんね!
さて、次回は、査読付き論文に挑戦したときの話です。
お楽しみに。
to be continued……
参考資料
・挿入マンガ①②:鳥山明『ドラゴンボール』(集英社)
・挿入マンガ③:板垣恵介『グラップラー刃牙』(秋田書店)
・挿入マンガ④⑤・タイトル:武論尊(原作)、原哲夫(作画)『北斗の拳』(集英社)
・清宮普美代『チーム脳にスイッチを入れる! 質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?』(PHP研究所)
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