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【ビジネススクール/MBA/体験記】第30話「ケースメソッド投げ師」
こんにちは、白山鳩です! クルッポゥ!
前回の『能ある鳩はMBA』の記事はこちらです。↓↓↓
今回は、「『ケースメソッド授業の教え方』を知っておけば、授業の展開を先読みできるのではないか?」という仮説とその検証について語ります。
1つの記事あたり、だいたい5分で読めますので、お気軽にスクロールしてみてください!
『ケースメソッド教授法入門』
さて、鳩が通っていたビジネススクールでは、「ケースメソッド」というスタイルをとっていることは過去に何度か触れてきました。
さて、ビジネススクールに通ううちに、鳩はある一つの仮説を立てるようになります。
(先生たちが、ケースメソッドをどのように進めたいかのコツがわかれば、授業全体の流れを俯瞰できて、バチクソ有利になるのでは……?)
という、邪な欲望で購入したのが『ケースメソッド教授法入門』です。
Amazonから本が届いたとき、ケースメソッドを進めようとする教授たちと精神的に同化できたと感じられた鳩は、
究極のパワーを手に入れたのだーーっ!!
と感じておりました。
これが教授の“心“か
さっそくページを開きふむふむと読み進めていくと、すぐにいくつかの「授業の失敗例」の例示に行き当たりました。
〇「動くはずなのに動かない授業」
授業中誰も発言しないまま終わった挙句、単科学生として外部から参加してきた生徒たちが、
「ここのMBAはたいしたことない」
「ちょっとひどいなあ、この授業」
と語り、地元のMBA学生が涙にくれる。
〇「クラス発言の裏事情」
いい発言をしている生徒がいると思ったら、実はグループディスカッションで出てきたアイデアをパクって要約しているだけだった。
〇「あの人が話し出すと授業が止まる」
先生が授業を進めようと口を開くたび、「それは違う」「世間知らずだな」と攻め立てられ授業が進まない。
地獄のようなケースメソッド授業に陥ることもありうる先生たちの悲哀を思い、「これが教授たちの“心“か」と鳩は涙にくれたといいます。
話し言葉の接続詞
ところで、先生の授業の進め方について読んでいるうちに、
(ふむ、先生がイラッとしない発言方法を身につければ、心証が良くなって、評価も上がるのでは?)
と、こすいことを考えた鳩は、追加で言語学者の石黒圭さんの本を参照することにしました。
『文章は接続詞で決まる』では、
「相手を怒らせてしまう接続詞」
が紹介されていました。
みなさんも、自分が授業を進める先生になった気持ちで、
「授業中に、生徒がこんな発言をしたらどう思うだろう」
という気持ちで是非ご参照ください。
〇事例① 相手の発言権を奪う
発言権を奪うことで、相手の話の腰を折り、気分を害する接続詞
~「というか」「てか」など
(例)
先生「今日の授業では、ポーターの競争戦略について、みなさんと学習していこうと思います」
生徒「てか、この部屋、暑くない?」
〇事例② 言い方を訂正して気分を逆なでする
相手が口にした表現をそのまま受け入れず、わざわざ解釈を加えて言い換える接続詞
~「つまり」「ようするに」など
(例)
先生「私がコンサルタントすればそれほどお金はかかりませんが、業者によってはその三倍はとる、というところもあります」
生徒「ようするに、お金がほしいということですね」
〇事例③ 逆説の使用で無用な対立を生む
さほど重要でない場面で異を唱えて腰を折る接続詞
~「でも」など
(例)
先生「オマエがいくら跳べてもハンググライダーの真似はできない」
生徒「でもオレ……猛獣に勝てる人間だったら何人か知ってます」
突然こんな口答えされても、先生はきっと困ることでしょう。
「『てか』『ようするに』『でも』を授業中に使うなんて絶対しないよ!」
と心に誓った鳩でした。
なお、あえて「先生を怒らせるための方法をもっと知りたい!」という方はぜひ、「人を怒らせる30の方法」をご覧になって授業に臨んでください。
とりあえず勉強してきてください
さて、そんなこんなで『ケースメソッド授業法』を通読した結果、いよいよ授業を迎えることになった鳩は、
「どうすれば授業が盛り上がるのか」
「どうすれば生徒たちの学びが深まるのか」
という先生たちの注意すべきポイントがわかるようになっておりました。
先生の怒りを逆なでする接続詞への注意もバッチリです。
当社比の心情は、ターバンを脱いだピッコロさん状態だったと言えるでしょう。
授業に参加すると、
「あ、この先生の授業は上手だな/イマイチだな」
ということは、手に取るようにわかるようになりました。
一方で、授業を受けているうちにわかったことがあります。
「教授たちの悲哀がわかったところで、自分の発言の質が変わらなければ、成績が伸びるわけねえんだよなあ」
という事実!!!!
くそったれ!!
発言の質がてめえら生徒なら
ケースメソッド授業法はオレだ!
一生かかっても「あの人が話し出すと授業が止まる」の悲哀には追いつけんぞ!
と内心忸怩たる思いを抱えたところで、自分自身の発言の質は何一つ変わりません。
「とんでもねえはやさ」で展開していく授業に圧倒されること請負です。
ビジネススクールの生徒のみなさん。
単位が欲しければ、とりあえず勉強してきてください。
次回、能ある鳩はMBA第32話「優雅で感傷的な長期休暇」
お楽しみに。
to be countinued…
参考記事:もっとケースメソッドが知りたい方へ
〇「ケースメソッド授業を乗り越えるには、教科書の10倍マンガを読め!」
という悪魔の指南の記事はこちら。
〇「ビジネススクールのグッドな先生とイマイチな先生」
を知りたい方はこちらへ。
〇「ケースメソッド授業のイントロでよくあるグループワーク」
について知りたい方はこちらへ。
〇「ケースメソッド授業がオンラインになるとどうなってしまうのか?」
を知りたい方はこちらへ。
参考資料
・挿入マンガ①④⑤⑥:鳥山明『ドラゴンボール』(集英社)
・挿入マンガ②:久保帯人『BLEACH』(集英社)
・挿入マンガ③:板垣恵介『バキ』(秋田書店)
・石黒圭(2008)『文章は接続詞で決まる』(光文社新書)
・竹内伸一(2010)『ケースメソッド教授法入門―理論・技法・演習・ココロ』( 慶應義塾大学出版会 )