見出し画像

約20年間極真空手を続けた学生#5

私が高校生になった頃に、組み手に関して自身が強くなった実感を得ました。そしてその経験が国際大会で優勝する先駆けとなりました。

私が高校生の頃は身長が173cm程になり、背が高い部類にありました。しかし中学三年生の頃が172cm弱で、身長の成長速度も止まってきているように感じておりました。中学校では3年間運動部をしておりましたが、思いのほか筋力もつきませんでした。

私が高校生になり、半年ほどたったころ、一般部の道場生を相手に上段の回し蹴りがヒットしました。上段とは頭部の事であり、組み手や試合ではこの部分への蹴り技は有効とされよほどのことが無い限り判定では勝ちを得ます。私は階級ではそれほど高く有りませんでしたが、相手の階級は自分よりも2つ以上上でした。私は股関節の開脚を行う柔軟性は低かったものの、回転やひねりを行う筋肉は柔らかったため、脚は上がりましたが、実際に格上を相手に当てる事ができたのは初めてでした。

その時から、自分の技に自信を持つことができ、上段への攻撃を繰り返し組み手で使うようになりました。いつしか道場内で私の攻撃が警戒されるようにもなりました。そのように稽古に勤しむにつれ、自身の技量が向上していき、1回の組み手稽古で1度は上段を入れることが目標になりました。

その結果、道場の師範にさえ上段への蹴りを当てることが出来ました。この時すでに、私は道場に11年程通い続けていたことになりますが、師範に上段への攻撃がヒットしたことは道場内では初の出来事でした。我々道場生にとって、師範とは天上の存在であり、絶対に敵わない方というイメージが有りましたが、ここで手が届くかもしれないと自身の中で高揚しておりました。ただし、上段が入った後は圧倒され続け、仮に試合形式で判定を行っても負けていたでしょう。

しかし私はこの出来事から、確かな自身の上達と技に対する自信、敵わないと考えていた相手に一矢報いたいという欲が出始めました。その出来事からより組み手稽古に勤しみ、いつの日か余り好きでは無かった組み手が大好きになりました。勿論その時も痛い事や苦しい事は嫌いでしたが、それ以上に自身の成長を実感できた経験が大きかったのです。

当時約10年間空手を続け、一番大きい壁を乗り越え、10年間の努力が報われるという経験を私は得ました。この達成経験があったからこそ、現在も極真空手を続け、自然と自身に目標と目的を設定し稽古に打ち込む事が出来るようになりました。目標を達成するために行動を行うという意思決定が自然に行える事は空手以外でも役立つ事であり、貴重な経験であったと感じます。

それから程なくして、私は国際大会に出場することが決定しました。外国人と試合を行う事は初の事でしたので、緊張は有りましたが負けるというイメージは有りませんでした。大会に向けて稽古の質も増して行きましたが、過去の経験が支えとなり乗り越え、私は国際大会で優勝することが出来ました。

初めは苦しく辛い稽古でしたが、今では楽しく大好きになっています。もし、何かを始めたばかりの人で現状を辛いと感じている場合、いつかその中に楽しさを見出しせる日が来る事もあると、1つのケースとして記憶していただければ幸いです。

いいなと思ったら応援しよう!

mba_internship
よろしければ応援お願いします! いただいたチップは活動費に使わせていただきます!