人生を彩った神ゲーの話 「オクトパストラベラー2」編
「今まで遊んできたゲームで打線を組んでください」
と、言われたらあなたは何を四番打者にするだろうか?今まで人生で特に印象に残っているゲームの記事を書いてきたのだが、あれらは打線入りすることはあっても私の中では四番打者にはなりえない。
数々のゲームを遊んできて、文句なしで一番「神ゲーだったな」と言い切れる作品。打線を組んだ時の四番打者となるゲーム。
それが「オクトパストラベラー2」だ。
スクウェア・エニックスのなかで「ブレイブリーデフォルト」や「ライブアライブ」の開発に携わった浅野氏が率いる「浅野チーム」による作品。
キャッチコピーは「旅立とう、君だけの物語へ──」。
このゲームはそのキャッチコピー通り、自分だけのスタイルを確立して冒険することができるRPGなのだ。
8人の主人公
オクトパストラベラーのオクトパスは「octo(8つの)」「path(道)」という意味で、このゲームに登場する8人の旅人は、みなそれぞれ異なる物語の主人公であり、プレイヤーはこれら8人分の物語を追っていくことになる。
ゲームを開始すると、8人の旅人の中から誰か一人を主人公として選ぶこととなる。
ここで選択した主人公はこのゲームそのものの主人公として扱われ、そのキャラクターのストーリーを完全攻略するまでパーティから外すことができない。が、それ以外のキャラは仲間にした後いくらでも編成を変えられるので、「このキャラだとメインストーリー攻略が厳しい」ということはまずないので好きなキャラクターを選ぼう。
キャラクターはそれぞれフィールドコマンドというものを持っている。例えば剣士ヒカリであれば「試合」というコマンドをNPCに対して行使することができる。「試合」はNPCに文字通り戦いを挑むコマンドで、勝利することでそのNPCを気絶させて、そのNPCが持っている技を覚えることができる。
ゲームの流れとしては
①最初に選んだキャラクターの序章をクリアする
②世界各地を回って仲間を増やし、それぞれのキャラクターのストーリーをクリアする
③8人のストーリーをクリアすると解放される最終章をクリアする
④エピローグ
といった流れになる。8人のストーリーはそれぞれバラバラに進んでいるようで、細かなところでつながっていたりするので、そういった点も楽しむポイントの一つだろう。
初代オクトラからの進化
2018年に発売された初代「オクトパストラベラー」から5年の時を経て、オクトラ2は様々な部分で進化を遂げている。いくつか紹介していこう。
クロスストーリーの実装
初代オクトラでは、8人の旅人同士の関係性がゲーム中に深く描かれないことが問題視された。それはそれで、プレイヤーに想像の余地を残すということに繋がっていると思うのだが、それを受けてか2では特定の旅人二人組に焦点を当てた「クロスストーリー」が実装された。また、ストーリーの要所要所で特定のパーティーメンバーを編成しているとパーティチャットが発生し、クスっと笑えるものからウルっと来てしまうようなものまで用意されている。それらのおかげか遊んでいて8人の関係が希薄だと思うことはまずなかった。SNSでもカップリングイラストや二次創作を多く見かけるので、この試みは成功だと言ってよいのではないだろうか。
戦闘面の変化
戦闘でも様々な部分が変化した。
個人的に一番ありがたかったのは倍速機能の実装だ。純粋に戦いのテンポが上がるほか、HD-2Dの綺麗なドット絵で描かれる滑らかな動きを楽しめるのもよかった。実は初代オクトラとオクトラ2ではキャラの等身が若干異なっている。2のほうが少しだけ等身が高くその分モーションが豊富になった。
上の2つの映像を見てもらえば、2のグラフィック上の変化を感じられると思う。
昼と夜
今作から、ワンボタンで昼と夜を切り替えられるようになった。昼夜を切り替えるとNPCの配置や話す情報が変化する。夜にしか現れないNPCやキャラ、イベントなども存在するので、フィールドを探索するときは気になるポイントで昼夜を切り替えることをお勧めする。昼夜を切り替えると前述したフィールドコマンドも変化する。昼は「試合」でNPCに戦いを挑むことができるヒカリだが、夜は「買収」というコマンドにより、お金を払うことでNPCから情報を得ることができる。昼と夜でできることがガラッと変わるため、パーティを編成するときはそのあたりも意識してみるといいかもしれない。
戦闘
オクトラシリーズの戦闘は個人的に数々のRPGの中でも傑作だと思っている。
登場する敵には、それぞれ「弱点」が設定されている。敵の立ち絵の下に、数字といくつかの四角いアイコンがあるのがわかると思う。数字は「シールドポイント」四角いアイコンは「弱点」を表すアイコンだ。攻撃は「使用する武器種」と「属性」の全部で12種類の分類がなされている。
上の画像真ん中のアリクイみたいな敵を見てみよう。左から「短剣」「斧」「闇」属性が弱点として設定されている。このアリクイに対して弱点として設定されている属性で攻撃を行うと、攻撃が一回当たるごとにシールドポイントが一つずつ減少していく。そしてシールドポイントが0になると「ブレイク」が発生する。ブレイク状態になった敵は「1ターンの行動不能」と「被ダメージ2倍」となり、一気に畳みかけるチャンスとなるのだ。そして、シールドブレイクの助けとなるのが「ブースト」というシステムである。
画面右、キャラクターのHP(緑色のゲージ)の上にオレンジ色に光る点があるのがわかるかと思う。これは「ブーストポイント(以下BP)」と呼ばれるもので、これを消費すると、消費した数に応じて攻撃を強化することができる(最大3段階)。例えば、通常攻撃をブーストして強化すると消費したBP一つにつき一回攻撃のヒット回数が増える。攻撃回数が増える=削れるシールドの数が増えるということなので、敵をブレイク状態にするためにBPを適切なタイミングで使用することが大切だ。ブレイク状態にした後もBPの使いどころはあり、BPを使用したアビリティは基本的に威力が向上する。また、BPを最大数消費したときのみ発動できるアビリティも存在し、それらは基本的に普通のアビリティとは一線を画す威力を持っているので、ブレイクして被ダメージの増える敵に対して特大火力を叩き込むことが可能だ。
続いて、バトルジョブの説明をしたいと思う。それぞれのキャラが「踊子」や「神官」など固有のジョブを持つのとは別に、戦闘時に使えるアビリティを増やす役割を持つジョブを「バトルジョブ」という。例えば、盗賊ソローネは基本的に盗賊のアビリティしか使うことができないが、バトルジョブに「学者」を設定することで、盗賊のアビリティだけでなく学者のアビリティも使えるようになるのだ。
これを活用すると「神官の回復魔法を使える剣士」や「踊りによるサポートもこなす商人」のようなことができる。またバトルジョブとして設定することができるジョブは初期の8つ以外にも存在し、特殊な条件を満たすことでそれらのバトルジョブを習得することができる。自分なりの組み合わせを見つけて、戦闘を有利に、戦略的に進めていこう。
音楽
オクトラを語るうえで外せないのはやはり音楽だ。作曲を担当しているのは「オレカバトル」の音楽を制作していた西木康智氏。王道RPGらしい、冒険心をそそられる雄大な音楽やストーリーへの没入感を高めてくれる音楽など、数々の名曲を生み出している。その中でいくつかお気に入りを、「初代オクトラ」も振り返りつつ紹介していこうと思う。
①メインテーマ
初代オクトラのタイトル画面で流れるメインテーマ。
これから始まる壮大な冒険をイメージさせてくれる素晴らしい一曲。ほら、あなたもだんだん旅に出たくなってきたでしょう。
②メインテーマ(オクトラ2)
オクトラ2のメインテーマ。初代とは違った趣ではあるがこちらも旅立ちを想起させてくれる。
③商人トレサのテーマ
初代オクトラの「商人」トレサのテーマ曲。港町から旅立つ彼女らしいメロディーと、18歳という若さを感じる一曲。他の重たい過去を持つキャラクターに比べ、楽しげで希望に満ちた旅路を思わせる。
④決戦2
オクトラ2におけるボス戦闘曲の一つ。初手から圧倒されるようなトランペットによるイントロ。ストーリーでイベントを挟み、いよいよ戦うとなった瞬間のこの曲は鳥肌の一言。この曲単体でももちろんいいのだが、ストーリーでキャラクターごとのテーマが流れる→戦闘開始とともに決戦2が流れるという自然な音楽の遷移を、ぜひプレイして堪能してもらいたい。
最後に
オクトパストラベラー2は初代オクトラの次回作としてはほぼ百点満点の出来と言ってよい。前作の良いところはそのままに、改善の余地があった点を解消し、非常に遊びやすく、そして面白いゲームとして作り上げている。ストーリーに関してもクオリティが高く、プレイしていて何度も号泣したので、ストーリー目的で遊んでも満足してもらえると思う。
最後にオクトラ2のファイナルトレーラーのリンクを掲載する。これを見て少しでもやりたくなったら、ぜひ体験版からでも、オクトラ2の世界を楽しんでもらいたい。
この記事を書いたとき(2023年12月)はsteam版オクトラ2が期間限定のセール中となっている。
あなたも、壮大な冒険の旅に出よう。
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