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悪魔の酒精分(2)
恐ろしい映画の代表みたいにいわれる「エクソシスト」は、この悪魔の酒精分の伝え方がおそろしくうまかったと思います。
今見ると随分展開の遅い話なんですが、前半、普通の家族の苦労話がある分、加速度的におかしな方向に進む後半のドライブ感というのはすさまじい。
そして悪魔くん。言葉を逆転して話し、頭のよさを誇り神父を試す、その母親の口真似して弱点をつくずるさ。これは人間の持っている悪知恵ですよね、だからこそ絶対悪をイメージできる。
なにより「悪魔は人の心の中に潜んでいる」という原則を守ったことが重要で、2重3重に人格が出てくる様は、ビジュアル含みで悪魔です、って出てくるよりはるかに怖い。いきなり首がぐるぐる回ったり、宙に浮いたり、逆さに階段下りてたら、逆に笑っちゃいますよ。それ以前に実体のない悪魔の酒精分に酔わされているからビジュアルが効いてくる。映画史に残る恐怖の名場面が生まれたのだろうと思います。
いくつかは実際にあったことなんですよね。このリアルな異常さはちょっと普通の脳みそでは考えられない。
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原点にして頂点といわれます。その後、「エクソシスト」的オカルトやホラーが多数登場しますが、ビジュアル面だけ引き継いだものや、存在としての悪魔が確かなものがほとんどです。当の「エクソシスト」も続編にはパズズがキャラクターとして認知されている分、安心感がある。ま、結構おもしろいのですが、やっぱり悪魔は半分リーガン自身なんじゃないか?というアプローチだとよかったのに、といまだに思います。
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