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河村光庸の映画

(※2022年9月記述)
秋ですね。
秋(あき)という字を、秋(とき)と読むのはご存じですかね。
秋は穀物が実る季節、つまり万物が成熟する大事な時であることから、「大切な時、重要な時期」という意味がある。このような場合には、「あき」ではなく「とき」と読む。
と辞書に出てます。

今年の6月に亡くなられたスターサンズの河村光庸プロデューサーのお別れの会に行ってきました。
俳優さん、映画制作者、映画会社の偉い方、そうそうたる方々がお見えになって故人を悼まれておりました。

河村さんと言えば、日本アカデミー賞作品賞を受賞した『新聞記者』や、『ヤクザと家族 The Family』、など、強いメッセージ性はあるけど、決して難しくないエンタテインメントや、『i -新聞記者ドキュメント-』、『パンケーキを毒見する』など周りが心配するほど権力に刃向かうドキュメンタリーを生み出してきた方です。

河村さんの映画の特徴は「原案:自分」ということでしょうか。
普通は原作が何万部売れたとか、そういうところから映画企画ってはじまるものが多いですが、彼の映画のスタートラインは彼自身なんですね。『あゝ、荒野』など原作のある映画もありますが、寺山修司の小説も河村さんにかかるとそれ風味に変わってしまいます。
だからジャンルが違っても、監督が誰でも「スターサンズの映画」というのがわかるという、これほど映画自体に影響を与えるプロデューサーもいないのではないかと思います。

注目すべきはそんな映画達が最後の数年間に待ち構えていたように世にあふれ出たということでしょう。
僭越な言い方になりますが、河村さんはスターサンズ(星の砂)という会社名にもあるように、若い頃からビジネスマンとして企画力やブランディングのノウハウはもちろんあったのだと思いますが、映画プロデューサーとしては最後の数年間に何かがかみ合った、タイミングがあったということかもしれません。

秋(とき)を得たのだと思います。
実り多い時期を過ごし、未来の映画界に向けて種をまいた。

なかなか、
秋(とき)は、普通の人には転がってなさそうですが、その時に向けて準備をこつこつとやっていきたいと思います。
河村さんありがとうございました。おつかれさまでした。

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