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カタルシス英文法を書き起こしてみた①

みなさんこんにちは!
「ゆる言語学ラジオ」というyoutubeチャンネルをご存知ですか?
僕の大好きなチャンネルなのですけど、その中で“カタルシス英文法”というコーナーがあります。
ゆる言語学ラジオの中でも特に好きなコーナーで、非常に勉強になるので忘れないようにnoteに書き起こしながら記憶に定着させようという魂胆で今回の記事を書いています。

英語の授業で聞いことをより強化させるような内容になっているので、この“カタルシス英文法シリーズ”は受験を控えた中学生や高校生にも非常におすすめな動画です。
学生の方も是非見てみてください!

ゆる言語学ラジオは二人の語り手がいるので、

水野さん:「」
堀本さん:ー

で表現していきます。
また、読みやすさのために実際に話されている内容を少し変えている部分もあります。
ご了承ください。

母語話者でもわからない!?日本語の時制について

「というわけで、第一回は“時制”!行きましょう!」

ー“時制”ね。つまんなそうだなってのがどうしても抜けないですけど(笑)
 本当に面白くなるのかな?っていう感じがすごいんですけど。

「じゃぁ、堀本さん。
 “時制”ってそもそもどういうことを指していると思いますか?」

ー”いつのものなのか“ってのを表すやつですよね?

「はい!仰る通りです。
動作、あるいは状態がいつの時点で成立しているか
 伝統的には“動詞の形を変えることで示す”ことを“時制”と呼んでいます。」
「じゃぁ英語に入る前に日本語行きましょうか。
 日本語にはどんな時制がありますか?」

ー過去・・・現在・・・未来・・・?

「はい、間違ってます。」

ー間違ってるんだ(笑)
 早速間違えてしまいました。母語話者なのに(笑)

「そうなんですよね。
 母語話者のみなさんもあんまり理解していないと思うんですけど。
 日本語の時制は“現在“と”過去“と”未来“ではありません。」

ーほぉほぉ。

「ちなみに”完了“はどうですか?
 英語では完了ってありますけど。」

ー完了?
 それはあるんじゃないですか?

「はい、ありません。」

ー無いんだ(笑)
 何があるんですか?日本語には。

「日本語には”過去“と”非過去“しかありません。」
「じゃぁ、過去から話します。
 これは簡単ですよね?
 ”た“っていう助動詞をつけて過去を表していますよね。
 これって完了も兼ねてません?
 例えば完了の例文で言うと、」

家の工事が終わった

「みたいな。
 これ、完了を指しているんですけど、
 過去の助動詞の”た“を使って言えているので”完了“という特別な時制が無いことは分かりますか?
 have + 過去分詞みたいなもの使ってないですよね。」

ー英語は区別してるけど、日本語は区別しないんですね?

「中学生の最初の頃の授業でそれなりに時間をとって現在完了を習うと思うんですけど、あれは日本語に無いから理解するのが難しいんですよね。
 だけど、現在完了って実は全然難しくないってのを後から話していきます。」

ーなるほど。

「じゃぁ、ちょっと戻って“非過去時制”ってのは何なのかってことを。」
「みなさんがいつも使う

僕は走る

 って文法的には正しい文章ですよね?
 これっていつの時点で成立している文章か特定できますか?」

ーできないですね。

「できないですよね。
 『僕は走る』って言った時に、例えば『明日』って言われたら、これ“未来”になりません?
 だけど、『僕は走る。毎朝』っていう情報が足されたら“現在”ですよね?
 なので日本語は終止形(何も助動詞を足してない状態の動詞)で“現在”も“未来”も現せて、それはそこに付く副詞(“明日”、“毎朝”みたいな)とか文脈とかで推測できる、結論が出せる仕組みになっているんですね。
 だから特別な“未来形”っていう形はないんですよ。」

ー言われてみるとそうだわ。

「和訳するときに『“〜だろう”って付けたじゃねぇか。

明日は雨が降るだろう。(It will rain tomorrow.)

 みたいな“〜だろう”は違うのか?』
 と言われると思うんですけど、“〜だろう”は違います。」

ーなんか違いそうですね。

「そうですよね。
 “〜だろう”は“推量”の助動詞ですから、
 あくまでそれは“雨が降る”ってのが“未来に起きる”ということの中で、それが確定した事実じゃないから“〜だろう”という和訳を使っているだけで、
 例えば、『It will rain tomorrow』って和訳は『明日雨が降る』で良いわけですよ。
 分かりやすくするために“〜だろう”って訳しなさいとか、“〜だろう”って訳さないと『こいつ、“will”の意味わかっているのかな?』って採点者側が思うから“〜だろう”って付けているだけであって、
 特別な時制として未来系があるわけじゃないんですね。」

ー高校生向けにね。
 『これ分かってますよ』ってアピールしておいてくださいねっていう。
 受験でよくあるやつですね。

「和訳文とか作る時に
 『本当はこんなよくないイマイチな日本語で書きたくないんだけど、俺分かってるってアピールしなきゃいけないな』って言って、あんまりよくない日本語を答案に書いた覚えは僕もあるんですけど。」

ー受験テクニックですね。

「“〜だろう”っていう未来を和訳するときに使う突然出てきたやつは、実は全然未来とは関係ないものだったわけです。」

ーおさらいすると、
 日本語は“過去”と”非過去“しかない。英語は色々とある。
 ということですね。

時制のない言語

「ちなみに時制の話をもう少し追加すると、
 日本語みたいに”過去“、”非過去“しかない時制の言語もそれなりにありますし、
 時制が全くない言語ってのもあります。」

ー面白いですね!
 時制が全くないのヤバそう(笑)

「凄い身近ですよ!」

ー何ですか!?

「”中国語“です。」

ーへぇー!
 中国語って時制全く無いんだ!!

「ただ、会話表現の時に過去に起こったことを表す”了“を付けて過去にやりましたよってことを明示することはあるんですけど、特別な形は無い、と言うことですね。」

ーだから”動詞の活用“みたいなことはしないってことですね。

「そうです。
 中国語は活用しようにも漢字なんで活用しづらいんです。
 日本語って漢字の後ろに送り仮名がついているから活用しやすいんですけど。」
「この手の言語の場合は、後ろに文法的な規則を示す助詞・助動詞みたいのをつけて”食べる“って動作が過去に起きたと言うことを付け加えることもできるんですけど、
 中国語はそれもやらない。
 じゃぁどうやって文章を読むときに過去かどうかわかるのかというと、
 時を表す副詞とかを用いて
 『”昨日“ってのがあればそれは過去に起きたって分かるだろ?』
 と示しているわけですね。」

ーなるほど。
 日本語より更に”文脈から時制を理解してね“という思想というわけですね。

英語の現在形は現在を表さない!?

「じゃぁ英語の話にしましょうか。」
「英語って本当に“何でこんな分かりにくい教え方をするんだ”ってくらい不満がありまして・・・」

ーへぇー、今の教育はなっとらん、と(笑)

「そこまで大上段に構えるつもりは無いんですけど(笑)」
(※大上段に構える=相手を侮ること)

「まず“現在形”からいくとですね。
現在形って現在のことを表してないんですよ。」

ーおー!いきなり熱いテーゼですね(笑)
(※テーゼ=話の主張)
 “現在形は現在のことではない“!?

「現在形の文章を作ってみてもらえますか?」

ー僕は・・・パンが好き・・・

「I like bread.
 ていう文章ですね。」
「これは現在形なんですけど、”現時点で好き“と言うことを指してはないんですよ。
 そう言う風に指す場合もあるんですけど、
 現在形の本質は”過去でも現在でも未来でも成立する”なんですよ。」

ーへー!なるほど!
 “ずーっとなものを言う”んですね!

「そうです。
 I like bread.
 って言う時って、
 ・昨日もパンが好きだったし
 ・明日もパンが好きだし
 ・そして今もパンが好き
 だって話をしているんです。」
「現在形の文章を作れって言われたときに、
 中学1年生みたいな話なので、中学1年生で習った例文でやると」

This is a pen.(これはペンです。)

「って言う文章も
 “これはペンだ”ってのは昨日も明日も変わらないわけですよね。
 と言うわけで現在形を用いていると。」
「他には」

I go to school.(私は学校に行きます。)

「これは、“今この時点で”学校に行っているわけでは無いんですよ。
 明日も昨日も学校に“行く習慣がある”と言っている。
 だから訳をよりこ慣れた感じにするなら、
 『私は通学しています。』とかね?
 学校に通っていますっていう、通っているこの”瞬間“を切り取っているわけじゃ無いんですね。」
「というのが現在形の本質。」
「だから、現在形の特別な用法として、
 ”不変の真理を表す“とか出てきましたね?」

ー出たー(笑)
 Next Stageに出てくるやつだ(笑)

「例えば、

 The sun rises.(太陽は昇る。)

 とかね。」

ー『地球は回る』とかですね。

「それって別に特別な用法でも何でもなくて、
“過去でも未来でも成立している”から不変の真理も表せる。

ーそっちがむしろ本質。

「あと、“習慣を表す”って用法もあるって言われるけど、
 『習慣がメインなんじゃい!!』っていう。」

「これ以降に進むために議論を整理すると、動詞には“状態”を表す動詞と“行為”を表す動詞があります。
 likeとかisとかは“状態”を表している。
 一方、goなんかは“行為”を表しています。」
「状態ってのはずっと変わらないのっぺりしているものなので、状態動詞の場合はどこを切り取ってもその状態は変わらないんですよ。
 だから現在形を用いることが多いんだけど、逆に動作動詞ってのはあんまり現在形で用いることは多くないです。この後出てくる“進行形”ってのと絡んでくるんですけど。
 その行為を習慣的にやっていると言うときにしか現在形を使えないので・・・」
「と言うのが現在形の本質でした。」

ー僕はそれなりに英語教育を受けてきたので、さらっとさっき例文作っちゃいましたけど、多分『現在形の文章を教えてください。』って言われたときに、英語苦手マンは
『今、本を読んでいます。』って言っちゃうかもしれないですね。

「でも、『現在形って名前なんだからしょうがねぇじゃん』(笑)」

ーそれは違う、と。

「と言うことですね。」

「進行形にできない動詞」も進行形にできるー現在進行形の本質

「じゃぁ今出てきたんで、【現在進行形】いきましょうか。」
「現在進行形ってのが、まさに“この現在のみ”“この瞬間”で動作が成立していることを表します。」

ー今本を読んでいる人は、昨日は読んでなかったわけですからね。

「昨日からずっと読み続けているわけじゃないからね(笑)」
「現在進行形ってのは“瞬間”を切り取っているんですよ。
 だから途中だと思ってもらえればいい。動作の途中を表すのが進行形の本質なんですね。
 またnext stageに戻りますけど、
 『進行形にできない動詞』って覚えませんでした?」

ーなんかやった気がするな。
 えっとねー。あれでしょ。
 住む(live)とかでしょ?

「そうですね。
 “住む”は進行形にできないですね。」

ーI’m living in London
 とは言わないってことですね。

「そうそう
 resemble(似ている)とかね。
 これも、
 I’m resembling
 とか言わないんですよね。」
「これは、日本語では『〜している。』って言い方をしているんですけど、
 よくよく考えてもらうと、『似ている』とか『住む』とか『所属している』とか、
 “動作の途中”って無くないですか?
 “その動作の瞬間を切り取る”ことってできなくないですか?」

ー『今まさに住むぞー!!』って言うことをやっているわけじゃないですもんね。

「そうそう。
 だから、belongとかliveとかって“動作を指す”と言うよりは、本質的には“状態動詞”っぽいんですよね。
 その動作を指しているわけではないので、瞬間の部分を切り取りづらいから進行形にしづらいんですよ。」
「だけど、resembleっていうのが“絶対に進行形にできないか”って言ったら、そうじゃないんですよ。」

ーほうほう。

「例えば、
 どんどんどんどん赤ちゃんがお父さんに似てきている
 時はresemblingって言っていいんですよ。
 だって“途中”だから。」

ーあーなるほどね。
 そうか。
 “似ていく“って言う動きがあるわけですね。

「だから別に
”進行形を使えない“わけじゃないんですよ。
 ”似ている“ってときに進行形を用いないだけ
で。」

「あと、next stageにまた戻ると、
 dieとかね。
 『死ぬって言うのは進行形にすると意味が”死んでいる“じゃないんだよ』
 とかってやりませんでした?」

ーやったっけ?(笑)
 全然覚えてないです(笑)

That leaves is dying.

って
 “死にかけている”。木で言うと、“枯れかけている”というような訳をするんですけど。」

ー何にも覚えてないや(笑)
 そうでしたっけ?

「そうですよ(笑)
 『進行形にすると意味が変わる動詞』って習うと思うんですけど、
 変わってなんかないんですよ。」

ーほぉ。変わってない。

「死ぬっていう瞬間的な動作。そこに徐々に近づいているときに“その途中を切り取る”のが進行形な訳だから、
 dieっていうのは進行形にすると”死にかけている”とかになるわけです。」

ーなるほど。
 さっきの本質の“一瞬を切り取る”というのに従っているだけだ、と。
 『例外として覚えるんじゃない。』というわけですね。

「今はdieみたいな【瞬間的な動作を表すケース】と、【“所属している”とか“似ている”みたいな日本語では行為動詞っぽく訳されるけど本質的な意味は状態っぽい動詞】を紹介しましたが、
 それ以外の普通の幅のある動作。
 例えば“読む”って
 ・本を持って
 ・読み始めて
 ・読み終わる
 までがあるわけじゃないですか。
 その一瞬を切り取った時ってのは基本的に現在に動作が成立するわけですよね。
 だから現在進行形ってのは多くの場合、その動作が現在起きているその瞬間なんだということを表しているわけなんです。」
「ちょっと概念的な話が長くなっちゃいましたけど、分かります?」

ー分かります!

「だから進行形使う時って迫力があるんですよね。」

ー・・・迫力がある?(笑)
 どういうこと?(笑)

「だって動作の瞬間を目の前に提示されるわけだから、
 何か現在形とは違うスピード感みたいなのがありますよね。」

ーあー、なるほど。
 それを“迫力がある”かと言われると、そうかなー?と思っちゃいましたけど(笑)

「例えばなんですけど。
 liveってのも進行形にできるんですよ。」

ーほぉ!

「どういう時かって言うと、
 “俺の心の中ではもう住んでいるくらいの気持ちになっているけど、まだ住んでいない時”とかは進行形にしていいんですよ。」

ーへぇー!
 住みつつあるから!?

「そう!
 だから引っ越しとかね。
 『俺、次神奈川に引っ越すんだ』
 って時に、気持ちが昂りすぎて“もう住み始めてるな”くらいのテンションの時って
 I am living
 とか言えるんですよね。」

ーへぇー!なるほど!!

まとめ

「まとめますと、
 進行形ってのはできる動詞、できない動詞があるわけじゃなくて、
 動作の途中や瞬間を言いたいときには使いましょう。
 ってことなんですね。」

ーというわけで、
 今回は一旦、現在形・現在進行形
 それと、日本には未来とかないよ。過去と非過去しかないよ。
 と言った話を聞いてきました。
ー一旦ここで終わりにしましょうか。

「日本語で英語を勉強するのであれば、
 日本語の時制がどうなっているのかってのを把握しておかないとスタートしないんですよ。」

ーそうだね。本当に。
 でもそれスキップしてやりますもんね。みんな。

「そうそう。
 だからね。今回は軽く飛ばしたんですけど、
 “似ている”とか“読んでいる”とかの『〜ている』って言うのも大問題なんですよ。本当は。」

ー(笑)
 まぁそれはおいおい別の機会に(笑)

「もう話さないですけど。これ以上は(笑)」
「こういう地固めをしていかないと英文法は本当は学べないんですけど、
 そこをすっ飛ばして習っているんで苦手意識が出ちゃうのもしょうがないな、と。」

ーなるほど(笑)
 じゃぁ、英語が苦手だった皆さんも“しょうがない”と言うことで(笑)
 “教育が悪い”ってことで(笑)



というわけで、今回の書き起こしは終わりにしたいと思います。

僕も中学生時代に「日本語って未来系無いな?」と感じていたのですが、
それも含めて非常に興味深い内容でした。
意味が変わる進行形とかも暗記する必要なくなりますね!
非常に興味深い動画なので、ぜひ元動画もご覧ください

第2回も書き起こせ次第投稿したいと思います。
それでは!

他の記事もよろしくお願いします。

曲作ったりもしてます。


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