日記 花をもらった
仕事から家に帰ってトイレに行くと、出窓のところに見慣れない花が飾っていることに気がついた。花びらを触ってみるとしっとりとしていて、ほわっと甘い香りがしてくる。本物だ。
「トイレの花どうしたの?」と妻に聞いてみると、今日妻が6歳次女を歯医者に連れていった帰りにたまたま向かいの家のご婦人(本当に「ご婦人」という雰囲気の方)がガーデニングの花を切っているところに遭遇し、少しおすそ分けしてもらったらしい。なんでも強い雨が降ると花が落ちてしまうからその前に自分で切っていたんだという。
ちなみにわが家には植物がほぼない。なぜなら飼い猫ズが齧ってしまうと毒になったりするからだ。本当は自宅を緑あふれるくつろぎの空間、空気は浄化されて気持ち良く、風水効果で運気があがり私は落とし物の石油王の財布を拾いお礼に豪邸をもらう予定だったのだが、その予定は猫を飼い始めた時にひもで縛って燃えるゴミの日に出した。私は豪邸を諦めて猫との生活の方を選んだのだ。
一応、今は1つだけ観葉植物があるにはある。私の腰くらいの高さがある大きいやつ。妻が友人から新築祝いにもらったものだ。はじめリビングに飾ってみたのだけど案の定猫ズに齧られてしまい、それから普段は納戸にしまうようになってしまった。でもずっと日陰だと弱ってしまうので、たまに猫ズの隙をついて窓の前に置き日光を当てるという隠れ家で過ごすアンネ・フランクのような生活をさせてしまっている。
そういうことで、家に生花を飾るのは本当に久しぶりだった。たしかにトイレの出窓なら猫ズも基本的には入れない(たまに隙をついてスルスルっと侵入してくるけど)から生きていけそうだ。その手があったのか。
短い期間しか楽しめないし、水をあげたりする手間もかかるのに花をもらうのってどうしてこんなに幸せな気分になるものなんだろう。枯れない造花で十分じゃんと思っていたけど、蕾からだんだんと咲いていく過程も楽しめるのがいいな。