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マザーズタッチ誕生秘話3 被災地編

被災地に行った時に 、
私が学んだ手法で体が楽になるようにとか、
気持ちが少しでも楽になるように、
みたいなスキル的な発想で
何かできることあるだろうか・・・

と思って行ったんだけど、
何もかなわなくて・・・

何をやっても意味がないというか 、
それをやったからって、
ほんの一部の人で・・・

まだまだ多くの人が被災して同じ状況にいるのに、
たかが目の前の数人に何かをしたからって、
何だって言うんだって・・・

私はすごく自分の力のちっぽけさを感じたのね

あの時は「マザーズタッチ」っていう
名前にもなってなかったんだけどね

その時は自分ができる事をいろいろ出してみて

被災者の人たちに、避難所の中でね

「じゃあ こういう風にやってみて」
「ああいう風にやってみて」
って言って

そういうことを話しながら、
お年寄りとか、
経験のない人たちとあれこれやる中で、
なんかこれは難しいとか、
よくわからないっていうのは
全部オールパスして

これだったら簡単だね!
これだったらできるよ!

っていうようなことをどんどん見つけていったの

それは 被災者の人たちとのやり取りで、
じゃあ、ここ、こうやってみて!
っていうような出来ることを見つけていったの

だから、
今あるマザーズタッチっていうのは、
私の頭で知識や経験の中で作り出したもの
っていう感覚は全く無くて

被災者との関わりの中で、
「これいいね」っていうものを集めていったような

そういう私にとっては思い出 なのよね

足そのものを、
こう、
手のひらでゆっくりと 挟んでいって
圧をかけて開放する
ってことを何回かやるんだけど

ほとんどの人が眠っちゃってるから、
そこは分からないと思うけど、
でもそれはやっぱりもう、
私の中では忘れられない思い出の一つで

こぅ、被災者の人たちの体に触れて、
ケアをするようなことをしてた中で、
被災地の人たちの体の冷えがすごかったから・・・

支給されてた貼るカイロを、
足の甲に、これぐらいのちっちゃいの
みんな貼ってたのよ

カイロの上から手を当てた時に
手のひらの中でね、
真ん中の四角は温かいけど
その周りは「冷たい」
っていうのがわかるぐらいで・・・

貼るカイロを貼ってても、
こぅ、なんていうのかなぁ

体が冷え切っているっていうのを感じられて、
すごい 私はね、びっくりしたの

「こんなことってあるのか!」って

その冷たい足に触れた時に、
なんか、こぅ、
技術的なスキルみたいなものでどうこうするよりも

この冷え切った足を
「温めてあげたい!」
っていう気持ちだけになったの

それで、その足を包むように
こぅ、じわ~っと手のひらで挟んで、
なるべく 広い面積挟んで
温めようとしてたら

みんなス~ッと 眠っちゃうのよね

「すごく気持ちいい」って言われて

で、そういうことから
なんかね

その思い出として、
大切に

マザーズタッチの中に、
その1つとして、入ってるんだよね

だから、
1つ1つが、なんか私の中では思い出なの

だから、
私が考えたとか、作ったとか、
そんなことを言えるものじゃなくて

大切な思い出なの

それで被災地の人たちに言われたのは、

「とにかくあんたはいつか帰っちゃうんだよね」

って言われたのが、
やっぱりすごく辛くて辛くて・・・

でも、みんなが

「マザーズタッチが世の中に広まったらいいね」
「みんなができるようになったらいいね」
「またその人にやってもらえるんだね」

みたいなことを言われたのよね

だから、なんかこう
「本当にあんた、頑張って広めてね」
って、すごく多くの人に言われて

「私、これ、必ず広めるからね!」

って言ったのが、
私の中ではもう約束になっている

っていうか、

約束したのにって、言うのがあって・・・

それでも
私の中では「大切な約束」になっていて、

でも、
やっぱり、
スキルではなくて「触れる」っていう事の大切さ

それが、言葉よりも何よりも

こう、なんていうのかなぁ

安心感を得たり、
励ましになったり、
勇気づけになったり

ってしてたことを、
いっぱい体験させてもらってたから

なんかすごく、

自分の子供が泣き出したっていうこと、
父の介護の時のことと、
被災地での経験っていうこと

この3つが、私の中ではね
大切な一つ一つが
「気づき」と「約束」だったのよね

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