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【漫画感想】K2 488話

 高品総合病院パート。時期的に一也の誕生日が近かったので、まぁ知ってた感。冒頭のやり取りで宮坂さんの誕生日が10月という事が判明。
 10月と言えば神無月。日本中の神様が出雲に集まるため、神様が不在になるらしいです。逆に、出雲は神在月になるのだそうで。生まれつき体が弱く、卵アレルギーも含めて病院に掛かる事が多かったという宮坂さんの出自を考えると、神よりも人に依る生き方になったのかなという深読み。
 一也は一也で、お手製のたぬきの刺繍が入ったハンカチを手に顔を赤らめる。どんだけ純情なんだよお前。もうアラサーなので流石に心配にもなる。不純異性交遊などしないとは言ったものの、流石に何時代の人間だよ。こういう時、仙道くんや譲介がいないのが本当に惜しい。

 本筋。一也達の世代の研修総仕上げと言わんばかりの大仕事、それは救急外来。広く深くの谷岡メソッドが真価を発揮する場でもあり、それを一番期待しているのは谷岡部長本人。いつものように『お前達』ではなく『君達』と呼んだあたりも、最前線に赴く部下への思いやりのようなものなのかなと。そして、六人の研修医は二人一組、男性ペア、女性ペア、眼鏡ペアに分かれてローテーションで就く事に。
 こう言ってしまうと申し訳ないが、血液恐怖症の椎名先生が離れているからこそ出来た采配と思う。たぶん、彼には戻ってきてから新しい仕事が待っている。一也の同性バディは盛本くんになるのかね。釣り合うまではいかなくとも、よきサポート役になりそう。
 そして、最初に救急外来に入ったのは斎藤、大関ペア。何気に斎藤さん、大学編から数えても、メインで医療パートを任されるのは初めて。マッチングの話の時は暴パートに近かったし。それにしても、初期研修で救急が上手く出来なかったと言う大関さんに「気持ちは分かる」からの「リベンジやってやりましょう」の流れ。アスリートらしい気持ちの入れ方

 歯ブラシを飲み込んだ人の救急搬送。『※救急の現場では信じられないような驚くべき事例はよくあるのだ!』……まぁ、口から飲み込んだのならまだマシなのかもしれない。引いて駄目なら押してみる転換で見事に対処。さらに、頭を打って運ばれて来たお婆さんに硬膜外血腫の疑いあり、すぐさま『最強コンビ』に対処を連絡。とにかく判断が早い
 一段落着いた所で白石室長から「二人ともなかなかやるねぇ」とのお言葉。コマに映っていない所で、大関さんもそれなりのアクションは見せていた模様。まぁ、斎藤さんの助手として動くだけでも相当なんだけど。カレーヌードルな辺り、斎藤さんの辛党ぶりは相変わらず。

 斎藤さんの質問から始まる白石室長の昔話。
 西海大の医局員時代、交通事故で肝臓と脾臓を負傷し骨折まである負傷者の救急搬送を受け、受け入れ拒否も考えた所に『地方に飛ばされていた先輩』に救われた。臓器と骨と筋肉を全てオペして、海外のスカウトを断って実家を継いで、そこで脳のオペまで成功させるスーパードクターの光に、完全に照らされ切ってしまった様子。一体どこのKなんだ
 ちなみに斎藤さんは話を聞いて、一人先生レベルの存在を想像している。間違ってはない。それと一也、たぶん話聞いてた。で、室長の話してた先輩が富永なのも察してた。三人を見送るようなコマの一也の表情が物語ってる(どうでもいいが、このコマの一也、もみあげの長さと形が一人先生になっている気がする)。
 斎藤さんが白石室長にしていた質問は「なぜ救急外来を専攻したのか」。477話でも気にしていたけど、これだという何かがなかった。帝都セブンで見ても、一也はともかく宮坂さんは外科、仙道くんは法医学、緒形くんは整形外科、深見くんはチーム医療のリーダー、青山さんは小児科と方向性が決まっていた。ずっと空白だった斎藤さんのポテンシャルは、救急外来で活きる可能性がある(大学生時代から、心臓マッサージやAEDなど応急処置をするシーンは多かった)。これで次回、やっぱりまだ模索するという終わり方もあるかもしれないけど。
 そして、上がり際の室長からの「本物は最後に来る」という忠告の通り、〆の大コマで入った救急搬送が『本物』なのか。その『本物』とは――

 白石室長が西海大病院から高品総合病院に渡った経緯は急患により聞けなかったが、高品院長がそもそも西海大OBな所を考えると、ツテがあったんだろうなぁと。室長という立場からすると、病院初期からのメンバーの可能性もあるかも。

(2025/1/1追記)
 余談。Kのイニシャルを持つスーパードクターに関わった救急外来の医師といえば、KAZUYAのメスを所持していた高岩先生。学生時代に事故で頭を打つ大怪我をしてKAZUYAに治療されたものの、脳動脈瘤が残ってしまったために『診察券』としてメスを渡されていたあの人。
 高岩先生も状況は違えど、白石室長と同じ『少しでも多くの人を救う』という目的で最前線の救急外来を選んでいた。震災の折、一人先生に「今のお前は医者ではない、治療が必要な患者なのだ!」とギュッされた事で動脈瘤から回復、メス返却後も健在で、一也放浪編でもチラッと登場している。
 スーパードクターは、ある種のカリスマ性を帯びているのかもしれない。

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