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【漫画感想】K2 483話

 前編からの続きで、バセドウ病を患って一線を退いた安倍川前外科部長の再起がメインとなる話。谷岡部長の改革が上手いこと軌道に乗ってるのが分かる。
 と、同時に研修医間の微妙な空気の変化を感じる回でもあった印象。帝都セブンの後輩三人組(盛本、三島、大関)のうち、頭一つ抜きん出てきたのが盛本くん、という気がする。脳のCT画像を見た時に「脳室が大きい」事に言及していたり、タップテストの穿刺を指名されたり(されるだけの経験を積んでたり)と、三人のうちで特に出番が多いように見える。
 また、一也と宮坂さんの距離に違和感を覚える回でもあった。これは電子書籍サイトの感想でも「助手を選べと言われて躊躇う理由あるのか」的なコメントが寄せられていたけど、確かにあの一也の一瞬の戸惑いには何かがあるような。先述したタップテストの際に、宮坂さんが盛本くんに「がんばれ〜」とエールを送り、それをなんとなく注視する一也という一コマがある。(K2はそういう話を取り扱う漫画ではないが)もしかして、一也なりの嫉妬みたいな感覚があるのかもしれない。恐らく宮坂さんにそんな意図は微塵もないのだろうけど。
 椎名くんが帝都大に行ってしまい、宮坂さん以外に助手を任せられる人がいなくなってしまったため、新たに誰か組める人を探すフラグ……と見えなくもない気がする。
 でも、そういう人間関係の云々抜きに、研修医の皆で『広く深く』に取り組む話を進めて行く方が、読んでて安心するよなぁと思う今日この頃。

 そして安倍川先生、龍太郎の事を今でも『太郎ちゃん』と呼んでいるあたり、二人を引き離した采配は本当に意味があったんだな……と。この人の下に置いていたら、確かに龍太郎には心の支えになるかとしれないけど、自立心と自己肯定感の面でかなりのマイナス要素なのでは……とも。

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