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【漫画感想】K2 487話+おまけ

 N県T村診療所パート。今回は龍太郎メイン回で、久しぶりの不死の湯。
 2013年の落成から11年経過。有名な「その風呂に入ったら死ぬぞ!」からもそれだけの時間が流れていたわけで……5人の老人は全員健在、タフ。それはそうと、開幕4コマ目で龍太郎の腹が凄い事になってた事が発覚。
 今回の症例は後十字靭帯損傷。痛みだけでなく、歩行困難以上にも繋がる危険な状態。問診による早期発見の大事さがよく分かる。モの字も出さずに分かるあたりに成長を感じるけど、PRP療法の説明の時に一人先生が「効果が無かった人もいる」と言っていたので、恐らく他にも近い症例を見た事による経験値の可能性もありそう。
 話が前後するけど、通常の靭帯手術を行うと全治1年、それは正造さんのような老人には長過ぎる。なので効果が不確定ながら効けば3ヶ月で治るPRP療法を選ぶ事に。しかし、村井さんの発言から過去にも松吉さんに同様の治療を施していた事が伝わると、最初からやる気だったんじゃないかと、試されたようで不満げになる龍太郎。前回といい今回といい、一人先生のやり方が黄色信号みを帯びる節がちらほら。
 しかし、風呂に誘って断られた後の発言からしても、一応言動には気を付けているようで。元々、龍太郎は不本意で診療所に来た人間だからねぇ……

 そして3ヶ月後、正造さんは見事に完治して龍太郎も一安心からの一風呂、そこで事件発生。龍太郎、一人先生の地雷を踏み抜く。恐らくなんだけど、顔の圧に関してはかなり気にしているような印象を受ける。
 初期でも子供からはラスボス先生とか内心で言われてたり、刑事ドラマの脚本家コンビからは犯人のモデルにされた疑惑など、所々で圧の強さが滲み出ている。海ちゃんが診療所に来た時も「一郎先生に似てる」と言われて「え?」と返しつつ次のコマでも顎周りをさするなど、顔について気にしているようにも見える。単純に、父親ににていると言われて『老けた?』みたいに感じているだけかもしれないけど(一人先生が最後に一郎先生を見たのは約30年前で、今はちょうどその時の父の年齢に近い)。
 同時に、まさか自分が裏でそのように思われているとは露とも思っていなかったようにも見える。先述の通り、龍太郎は元は高品院長からの相談を受けた際、一也と宮坂さんの二人とトレードする形で不本意な形で診療所に来ている(初日で逃げようともしてた)ので、好感100%でないはずなんだけど……プライベートは守ろうとする辺り、龍太郎が現代っ子の気風が強いのかもしれないし。
 今後、両者の関係に暗雲となるか、あるいは単純なオチでしたで済むかが気になるところ。作風的にはたぶん後者

おまけ
 
渋谷にて開催されている、真船一雄先生の画業40周年記念、スーパードクターKシリーズの原画展『Kの系譜』に行ってきました。
 いやぁ凄い。漫画原稿やカラーページの原画が見られるというとんでもなく良い機会でした。先生曰く、開催にあたるメッセージで『アナログ作画でアシスタントにも苦労を掛けている』的な内容がありましたが、見る側としては非常に貴重なものだと思っております。物理的なモノが残るというのは非常に大きい。
 K2の単行本表紙を並べた一覧では、作品の年代によって表紙デザインの傾向が少しずつ変化しているのを感じます。34巻で初登場だった海ちゃんが48巻ではすっかり大きくなってたりとか、キャラクターのリアルタイムな成長の記録みたいになってました。
 生原稿はとても見応えのあるもので、個人的に面白いと感じたのは『思ったよりも線画でブレたりホワイト修正してる』事でした。普段からスマホの電子書籍版で追ってる身としては、実際の原稿のサイズ感や『そこに存在する』大きさを感じられました。
 不肖MaZ、漫画家さんのイベントは初めての経験なので、色々と学ばせてもらいました。今後とも、良い作品を描かれる事を願っております。

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