よりよい体験を作りたい・・原点に立ち帰るための4つの問い
Rettyでリードデザイナーをしているヤマモトマユミ(@mayya)です。
今回のnoteは、社内向け勉強会で発表した「改めて考えよう!User Happyの作り方」の内容を外部公開用に改めてまとめてみました。
「ユーザーさんに価値を届けるんだ!」という思いを強く持っていても、日々の業務に忙殺されて、知らず知らずのうちに本来の目的を忘れてしまう・・なんてこともあるかもしれません。そんな時でも本来の目的を見失わないように、原点に立ち帰るための4つの問いについて書きたいと思います。
①ユーザー体験を一連の流れでイメージできているか
😏「予約数を上げるために予約ボタンを増やそう」
😏「フォロー数を増やすためにユーザーレコメンドを表示しよう」
😡 それ、ちゃんとユーザーの体験を「線」として理解していますか?
例えば、上記はお店を予約する体験を簡単に図にしたものですが、ユーザー視点で体験を見てみるとこれだけのステップがあります。この全体の流れ(体験)を考えずに、KPIを上げるためにピンポイントで施策を打っても、ユーザー体験全体で考えた時に、よい体験とは言えない場合があるかもしれません。
例えばこんな感じ。
このように、ポイントで考えたとしても、数値分析で出た結果の背景にあるユーザーの動機や隠された心理をきちんと把握して、体験全体で考えないと思うような結果が得られにくいと思います。
何か施策を考える際には、KPIごとの点で考えるのではなく、数値の背景にあるユーザーさんの心理を理解し、体験を線で考えることが、ユーザーさんにとっての価値に結びつきやすいと思います。
②手段が目的になっていないか
😏「他のサービスにある機能だからうちでも作ろう」
😏「最近メルマガ打ってないから打ってみよう」
😡 それ、手段から考えていませんか?
手段は目的を達成するためにやることです。目的なき手段は、ユーザーさんにとっての価値に繋がらないこともあります。また、手段を考える上で重要なのが「目的」です。やる意味のある確かな目的を決めるためには、さらにユーザーさんの行動や、取り巻く環境などの「背景」をきちんと理解する必要があります。
例えばこんな感じ。
上記がもしメルマガを打とう!から始まっていたら、オススメのお店特集やRettyでお店探しの方法など、今のユーザーさんのニーズに合わないメルマガを企画していたかもしれません。
また、「目的(なぜやるのか)」の課題感が大きい、多くのユーザーさんの価値に繋がる、そんな目的をしっかり見つけることがとても重要です。手段はその後でよいのです。
③適切なスコープで考えているか
😏「私はアプリチームだから対応範囲はアプリだけでいいか」
😏「Webで出てきた課題だからWebだけ対応すればいっか」
😡 それ、適切なスコープですか?
ユーザーさんから見れば、Webサイトもアプリも同じサービス。Webだけ、アプリだけ、片方だけ使う場合もあれば、Webもアプリも両方使う場合も。
それなのに、チーム以外だから、Webだけでいいかと、自分たち都合でスコープを切ってしまうのは、ユーザーさんにとって最適な体験提供にならないですよね。
例えばこんな感じ。
上記は本当にあった実話ですが、スコープを狭めて考えてしまったばかりに、再考することになり、検討に倍の時間を要しました。
また、エンドユーザーが見る場所だけでなく、時には裏側のお店情報を管理する画面にも影響があるなど、意外なところまでスコープが広がることも。施策を考える時には、どこまでが影響する範囲かサービス全体を俯瞰して適切なスコープを見極めることが、ユーザー価値に繋がると思います。
④ユーザーの真意を理解できているか
😄「動画を投稿したいって意見が届いているよ」
😄「インスタと連携してほしいって意見が届いているよ」
😡 それ、ユーザーさんが本当に欲しいものですか?
Rettyもユーザーさんから様々なご意見がたくさん届いています。緊急度の高い不具合などはすぐに対応しますが、「こんな機能が欲しいな」「ここがもっと使いやすくなったらな」というご意見は、そのまま取り込むということはほとんど行わず、一度社内で検討した上で最適な機能や改修を行うようにしています。
例えばこんな感じ。
このように、ユーザーさんの意見の背景にある課題は何なのかをきちんと把握した上で、その課題を解決する最適解をきちんと思考することが重要だと思っています。
最後に
この4つの問いには、私もドキっとさせられる時があります。タスクに追われて忙殺されそうな時でも、別の部署から依頼が来た時でも、この4つの問いを常に頭の中に入れておいて「本当にこれをやるべきなのか?それがユーザーさんの価値になるのか?」を毎回考える癖をきちんとつけておかないとなと思います。
RettyではUser Happyな体験を一緒につくっていってくれるデザイナーを引き続き大募集中です!
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