長谷川商店通信 3月の記事
高台へ避難してください。
「高台へ避難してください。ただ今宮城県内に10メートル以上の津波が・・・」
2011年3月11日に未曾有(みぞう)の大地震が日本を襲いました。
静岡でも大きな揺れを感じました。
東北地方では大きな揺れの後、津波が押し寄せてきました。その津波はみるみる押し寄せ町全体をあっという間につつみ込んでしまいました。つつみ込むどころか10メートル以上ある建物も覆い尽くすほどすべてをあっという間にのみ込んでゆきました。
宮城県の南三陸町では12メートルある防災庁舎を超える津波が押し寄せました。今でもニュースなどで当時の様子が流れることがあります。防災無線からは緊迫した中、わかりやすい女性の声で「高台へ避難してください」と何度も何度も放送が流れます。呼びかけた女性職員は遠藤未希さんという方です。防災庁舎に津波が押し寄せる直前まで呼びかけをし、町の人みんなが避難できるよう最後まで呼びかけをしていました。「高台へ避難してください。ただ今宮城県内に10メートル以上の津波が・・・」
放送はこれが最後です。
未希さんは女性剣士でもありました。お父さんが剣道の先生をやっていた為、小学生の頃から剣道を習い、中学・高校と続けてきました。
震災後、未希さんが使っていた剣道具がみつかりました。今ではこの胴をいとこの方が形見として大切にしています。
剣道は竹刀で打ち合い、戦うものですが、それだけではありません。剣道の稽古を通して人として大切な〝心〟も育てられてゆきます。
それは人の為に尽くすことの大切さ、全力で取り組む姿勢、困難に立ち向かう勇気。私たちは遠藤未希さんがとった行動から多くのことを感じ学ばなければなりません。そして学んだことを伝えて行かなければなりません。剣道を通して人の気持ちや多くのことを感じられる心を育てゆきましょう。
長谷川
3月9日