辻村深月5作品 お気に入りワードの備忘
辻村深月さんを読むきっかけになったのは、『まなの本棚』という芦田愛菜さんが15歳当時に出版した、芦田愛菜さんオススメ本集に数多く収録されていたため。
それからどハマりして8作品、一気に読んだ。
どの作品に於いても心理描写が細かく的確で、この方は日頃から自分の気持ちの「理由」を深く考えているということが伝わってくる。
それらが言語化された作品を読むことにより、自分自身の気持ちに気付くきっかけを貰っている。
全作品に対して読後感を書くべきだったが、日が空いてしまったので、それぞれのお気に入りワードだけ。
1.『凍りのくじら』
あんまり、人間の脈絡のなさをなめない方がいい
どうしてそうなるのか分からないという原理、矛盾だらけの思考で人はあっさりと動くよ
こうやってどうしようもない事態になってから、いつだって初めて気付く。私はくだらない。計算して言葉を組み立てて、相手を悪く言って、その場所や感情に縋らないふりをして、だけどこうなってからいつだって後悔する。
2.『ぼくのメジャースプーン』
もしも『何か』をしなければ、『ひどい』ことがおこる
人間ていうのは、もともと自分のことしか考えられない生き物なんだって。
わかり合えない者同士は、無理に一緒にいる必要はない。
人間の人生は、自分自身の過去の責任を必ず取らなければならないようにできている。
3.『スロウハイツの神様』
自分自身を商品として提供し、消費する。
これは、この見世物がウケることを冷静に計算した果ての脚本だ。
4.『冷たい校舎の時は止まる』
発作的な考えの連続が人生だってよ。自殺ってのは寿命だ。
お前ね、自分の痛みより先に人の痛みに気付くようだとなかなか幸せになれないよ。
5.『ツナグ』
世の中が不公平なんて当たり前だよ。
みんなに平等に不公平。フェアなんて誰にとっても存在しない。