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映画感想文「市子」


一つ嘘をつくと、どんな小さな嘘でも、その後嘘に嘘を塗り重ねて生きないといけなくなる。

「離婚後300日に産まれた子ども」の規定、昔知り合いの夫婦にも同じことが起こってた。
男性側は前妻と離婚調停を挟んでいたから、実質もう関係は終わって実際に離婚が成立するまでのその間に新しいパートナーが妊娠。今度は「いつまでに籍を入れないと、父親と認められない」とかっていうタイミングにも気を遣ってた。

にしても本作に出てくる大人がひどい。取り巻く大人、全員クズ。
分かる。本人たちの気持ちは理解してあげられないやろうけど、苦しい場面やどうしようもない場面が沢山あることは分かる。
それでも、どんな理由があっても、「子どもは、親だけじゃなくて社会が守っていかないといけない」と思う。

自分の子どもだけじゃなく、せめて自分の目の届く範囲の子どもたちだけには、こんなことが起きませんようにと、少しは社会人としての責任を感じるようになった。

でもこの映画を通して一番驚いたのは、杉咲花ちゃんの演技と関西弁。
関西出身者としては、関西弁の下手な役者の作品にはのめり込めない(から、逆に標準語のままでいいのにと思うくらい)。
自然なイントネーションであることで、東大阪の雰囲気に没入できた。

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