世界線が重なるときに
別府市の南部にある松原公園。
今では遊ぶ子どももまばらな静かな公園だが
かつては映画館や芝居小屋が立ち並ぶ賑やかな場所であったらしい。
母からは少女時代、祖父母に連れられてここで芝居を観るのが楽しみだったと聞かされていた。
そんな芝居小屋もなくなり、大衆演劇の舞台は少なくなったが私も幼少の頃は遊戯場に祖父母と母と大衆演劇を観に行ったものだ。
いかにも年寄りが好むような勧善懲悪のストーリーは子どもにも分かりやすく、涙あり笑いありの芝居はちょうど良い非日常であり老若男女が共に楽しめるエンタテインメントであった。
先日、その松原公園でマルシェが開催されると聞きつけフラリと立ち寄った。
出店を楽しんでいると
突然のアナウンスにより、プログラムにない即興劇が始まることを知りステージに歩み寄った。そこにあのロクディムのメンバー、渡さんと淳さんがいたのだ。
ロクディムのライブは過去2度のチャンスを逃しており今回が初見となる。
事前に観客に紙に書いてもらった台詞をランダムに引きながらその場で紡ぐ芝居は、台詞が場に合ったときの感動、逆に合わなかった場合の先の読めない緊張感が演者と観客の一体感を生む。
思いがけず一本目と3本目の世界線が交わったとき、自身も亡き母や祖父母と時空を超えて同じ場所で芝居を観ている感覚をおぼえた。
この日飛び入りのライブを観て、すぐに来月の公演チケットを買い、2日後のミニライブの予約をした。
ミニライブはもちろん抱腹絶倒。
自身が書いた台詞がどのタイミングで出てきてしまうのかという緊張と高揚が入り混じる不思議な感覚。
そしてライブ前の台詞を書き出す時も自身と向き合う不思議な体験となる。
なかなかこのようなライブができる演者はいないだろう。
11月5日、6日別府ビーコンプラザ。
それぞれの世界線が重なり交わりまた離れる不思議な体験をぜひ一緒に楽しみましょう。
#ロクディム #即興劇
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