東京寫眞帖 : 鳩森八幡神社
先日は夕方から能を観る予定でしたので、外苑のいちょう並木を通り抜けて能楽堂まで歩いて行きました。
神宮球場の脇を道なりに進むと、国立競技場の前に出ます。はじめて実物を見ましたが、植物を植え込んであるのがいい感じですね。巨大建築物が与える圧迫感が緩和されるように思います。
(写真だとあまりよくわかりませんね)
このあたりの地名は「霞ヶ丘」ですが、競技場の南側の道を歩いてみるとゆるい下り坂になっていて、その名のとおり小高い土地であることがわかります。
下り切ったところの仙寿院交差点を南北に走る418号線は暗渠化した渋谷川の上を通っていて、仙寿院から少し北に行った信号には、かつての川の名残で「観音橋」という名前がついていました。
この観音橋の信号を左に曲がると道は急に上り坂となり、さきほどの418号が川であったことが地形的にも感じ取れます。
あたりにはふつうの民家やマンションが立ち並んでいるのですが、これがまた不思議な感覚でしたね。都会のど真ん中、しかも国立競技場や神宮球場のような大きな施設がすぐ目の前だからそう感じたのかもしれません。
観音橋の坂を登り切ると見えてくるのが鳩森八幡神社。
視界に現れた石の鳥居とその向こうの木立に、なんともいえない懐かしさを覚えます。
まるで江戸時代のような空気感とでも言いましょうか…
千駄ヶ谷の駅から来ると鳩森八幡神社前交差点に面した脇参道から境内に入ることになりますが、表参道のもつ雰囲気はとても素敵です。なにか、包み込んでくれるように優しくて柔らかい、そんな感じがするのです。
手水舎の花手水も彩りがきれいです。
1枚目は先月、2枚目がこの間のもの。
境内からは代々木のドコモタワーも望めます。現代と近世のコントラスト。
先月訪れた時はひっきりなしに上空を飛行機が通り過ぎていました。この間はそうでもなかったので、日によって航路が違うんでしょうね。
ところでこの神社には富士塚があるのです。
もう何年も前に雑誌で見かけて以来、いつか行こうと思い続けてずっと気になっていただけに、先月はじめて鳩森八幡に参拝した時はむちゃむちゃテンションが上がりました。
勢い込んで富士塚の鳥居をくぐりましたが、この富士塚、けっこう本格的なちゃんとした山なのです…
ヒールだった私は後悔しました。ロープをつかまないと降りられないような場所もあるのです。
でも、この小高い富士山の頂上からの眺めはなかなか爽快でした。
境内の雰囲気が心地よいので、これからも能楽堂に行く時はできるだけ鳩森八幡神社にも行こうと思っています。ただし富士塚は別口で。心置きなく山道を昇り降りできるようにスニーカーを履いて出かけないと。
(2022.10.21、11.18)