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ヘナと薬機法


植物で髪を染める自然派美容師を8年。
その前は普通のサロン美容師を10年。
ケミカルを使っていた自分の髪に
ヘナを使い始めて8年経ちます。
(現在現場は引退し、イベント出店のみです)
今回はヘナの表向きと裏の話をします。
少しマニアックになりますので興味がある方のみ
ご覧くださいね。



表題にある薬機法。
日本には薬機法(旧薬事法)というものがあり、
表向きに使うとNGな単語がいくつかあります。
ヘナを語る上では外せないことです。

中でもデトックス。これは使うだけでも違反にあたります。
では、デトックスとはなんでしょうか。



体の中から不要なものを排泄する

デトックスという現象は自分の体が感知するもので、科学的な根拠があったりするものではなかったりします。

本や他の人の感覚で感じることと違って
自分の体が分かるものです。

ひとは、自分の体にとって不要なものは
自然と排出されるようにはなっているもの。

体の中の不要なものが排出されて
すっきりするという感覚は、誰でも感じることがあると思います。

アーユルヴェーダでも、体に不要物(毒素)が溜まり
病気を引き起こす、とありますし、
息を吐くことも、汗をかくこともデトックスのひとつです。


ヘナは植物です。最初に書いた通りに薬品ではなく
化粧品の分類に入ります。
ヘナを続けている方はすでにご存知だと思いますが
ヘナは使うことで
「変化」を感じる瞬間があります。


これを語るときに「デトックス」や「育毛効果」という言葉を使う事は薬機法違反にあたります。
例え、自分にとっての真実だとしても。


それを踏まえた上で
ご一緒に「自分の健康」を考えるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。



ヘナの最大のメリットは
自分で染められること。家で放置している時間も有効に使えます。ケミカルではないので、化学的な匂いも発生しません。
何よりも、頭皮に刺激がありません。
わたしのように自然派が好きな方、植物やハーブを生活にとりいれてみたい方に最適です。


髪を染める理由


今、白髪がある方もない方も。
髪を染めているのは何のため?

今、白髪が目立ってきた方は
カラーリングの選択肢に迷い始めるはずですが、
今のヘアサロンでは白髪を染めるにあたっての選択肢は大きく分けて3つです。

①明るく染める(白髪を目立ちにくくするため。
グレーヘアやウィービング、全体が金髪の更に抜け切った白に近い色にする)

②ヘアマニキュアで染める

③白髪染め(黒、あるいは濃いめの色味を入れる

では、ヘナは?

ヘナを選ぶということ

わたしはヘナに出会い、約8年になります。
肌荒れがあるとか、ケミカル反対とかでは
ありません。ごく普通の人です。

その前は、15年ほどアルカリカラーをしていました。

アルカリカラーをしていた理由は、職業柄とか当時の流行りとか。
髪色が明るい事でなんとなくおしゃれっぽく見える、明るい色の服も着ることができる、


凝ったスタイリングをせずにそれなりに見えるのも気に入っていました。


ですから、まさか自分がカラーリングをやめて
ヘナをやる事になるなんて
思ってもいなかったんですね。
自然派、なんて実は自分が一番驚いているくらいです。

ヘナは選択肢から抜けること


白髪染める方法の中で 髪に負担がない方法はヘアマニキュアしかありません。しかし
傷まないけれどシャンプーのたびに色落ちしますし、雨の日も服に色が移らないかが心配です。
マニキュアは皮膚に付着すると落ちにくいので、
神経を使います。もちろん、自分では塗布が難しい。効果も髪の表面に付着しコーティングしているので一時的なものとなります。



染めないのもひとつの選択肢ですが、
勇気が必要かもしれませんね。自分は染めたくないんだけどご家族の反対がある、とはよく聞く話。

ヘナは、既存の3つの選択肢以外になります。
毛染めだと思われますが、毛染めではなく化粧品です。


わたしがヘナにはまった理由


端的に言えば、長く続けられる、減らないから。
ヘナは染める、以外に
いやしやセラピーの要素や
トリートメントの役割があります。

ただし、ヘナと言われていながら
全くの別物であることもあるので
商品の裏の表記を見て、確認するのをお忘れなく。
サロンで実際に使用している天然ヘナをお探しの方は販売サイトがありますのでそちらからもご購入いただけます。(わたしのプロフィールにあります)


カラーリングは髪の構造上、キューティクルが開きやすく、髪の主成分のケラチンタンパク質が抜け出す事で髪が傷んで見えます。
髪は何もしなければ元々健康で艶がある状態です。


カラーリングは、あえてそれを過酸化水素を使ってメラニンを壊し色素を入れます。
当たり前に髪を明るく染めていましたが
ある日、鏡に映った自分の姿を見てやばい!と思ったんです。

鏡に写った疲れ切った姿

子供がまだ小さくて、外遊びが盛んだった頃。
子供中心の生活は楽しかった反面、紫外線にあたり日焼けをしたり、汗をかいたり動き回ったりで、
とにかくとてもハードでした。


ある夏の日、トイレの鏡に映ったのは
疲れ切った顔に、金髪に近い水分がない髪の毛。
どう見ても病気の人か機嫌の悪い人にしか見えなかったんですね。
パサパサの髪に、やつれた顔。
これが加齢なんだ。っていうショックを受けた日でもありました。


これから先、どうなるんだろうという不安。
わたしも衰えたな、という落ち込み。
でもこのまま歳をとりたくない。とだけ思いました。


そんな時に、通っていた整体の受付の方から
たまたまヘナを聞いたんです。
その方は元々美容師で
今は引退して、整体を学んでいました。

頂いたパンフレットには、ヘナを始めた方のビフォーアフターやご感想、特に髪の変化や頭皮や皮膚の艶など、わたしとは真逆な
「元々にあるそのままの美しさ」がありました。
わたしは、これが知りたかった!と思ったんです。


あれから8年。ヘナを続けてきましたが
わたしの髪は8年前より健康で、艶もあります。
歳はとったはずなのに、あの頃よりも奪われる感覚がないのが実感としてあります。

染めるにしても、面倒だけど仕方ないから染めるのではなく、やるたびに髪が良い状態になっていくから自然とルーティンになっていく。

リスクがないって素敵なこと。
もちろん、環境にも負荷はありません。


ヘナの歴史

ヘナ自体はエジプトが発祥です。
クレオパトラが爪や髪を染めるために使われたのが始まり。


ヘナはエジプトで発祥し、その後インドに伝わりました。
今でこそヘナといえばインドのイメージですが、
同じくインドの伝統医学でもあるアーユルヴェーダとは直接関連はありません。
※過去記事で書いてます
しかし、ヘナが家庭で身近に使われてきた薬草であることに変わりはありません。


ヘナの立ち位置

ヘナの立ち位置は「化粧品」です。薬剤ではありません。だからこそ薬機法で一般に使ってはいけないワードがあります。


⚫︎育毛効果がある
⚫︎デトックスできる
⚫︎症状が治る
⚫︎自分も使っているから良い製品だ



ヘナと一緒に使うインディゴ(ナンバン藍)は
色の調整をするために使いますが、インディゴにも色味調整だけでなく育毛目的に使われます。
ヘナには経皮毒を排出する効果がある、などとは
公には言えないけど、ハーブや植物などにも
古からあるものが今でも生活に根付いて
使われていることが静かに物語っています。


わたしはアーユルヴェーダが好きでオタクなので
こちらに記事も書いてますが、なぜ好きかって
自然の摂理に逆らわないこと。
それが一番の理由。



話を戻しますと、
ヘナには使う理由が明確にあるという方にオススメです。

例えば
⚫︎自然環境のことも考えたい
⚫︎皮膚への刺激があるものは選びたくない
⚫︎自分でできるもので体に負荷がないものがいい
⚫︎継続的に自分への自己投資をしたい
⚫︎無理のないやり方で自然な美しさを求めたい


こんな理由がひとつでもある方は
ヘナを選択することが最適かと思いますし、
今のところヘナの他に見当たりません。

それにやってみて合わないなら
やめればいいだけ。
リスクはないので、もし気になる方は
試してみてください。
※ただし、植物アレルギーの方もいらっしゃるので
パッチテストをしてからを推奨します。


ヘナはクレオパトラの時代の人がやるもので
なんでこんなに化学が発展した現代に
あえて原始的なヘナをするのか?!
と言う美容家もいますし
ある意味そうかもしれません。


だから、ヘナに限らず選択する時の基準ひとつひとつを自分の基準を大切に。

これを読んで下さるかたがおいくつであっても
「実際に自分が使ってみて感じること」を大事にして頂きたいと思います。
わたしが感じることが正しさだとも思っていません。


「イチ美容師の見解」ですので。

長くなりましたので
次回からわたしが取扱うヘナの話をしていきます。
わたしが扱っているのは
大前提として天然100%のヘナ製品です。
美容師が自らインドまで行き、試行錯誤しながら
自分のお客様のために作った製品、というところに
選択の最大の信頼と理由があります。


ご質問があればLINEからメッセージいただければ
返信させていただきます。


お読みくださりありがとうございました。
白髪を染めるのが憂鬱ではなく、
心地よいヘアライフになりますように。


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