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DXを加速させるための「学校DXサポーター」の役割とは?

先生方、いつも本当にお疲れ様です。
(株)フォネット 大橋です。

現在、DX(デジタルトランスフォーメーション)は学校・企業・行政など様々な分野において欠かせない要素となっており、その最も重要な推進資源が「人材」です。

本記事では、GIGAスクール構想を加速させる役割としての「学校DXサポーター」について、ご紹介したいと思います。



私たちが考える学校DXサポーターとは?


先生:「GIGAスクール構想(理想)は分かるんだけど・・・なかなか学校に浸透していないのが現実なんだよね。」
大橋:「そうですよね。ICT支援員がいてもなかなか進まないという課題を抱えている学校が多いようです。対処療法的な「ICT支援員による先生方の伴走支援」だけでは足りず、体質改善的な「推進」が加わることで、ようやくDXの歯車が回りはじめるのだと私たちは考えています。

ICT支援員時代、先生方のご相談に対し誠心誠意対応してまいりましたが、なかなか思うように学校DXを進めることができませんでした。

【ICT支援員とは】
学校でのICT(情報通信技術)活用をサポートするために、国が制度化した専門職です。主な役割は、教師や生徒がICT機器(コンピューター、タブレット、インターネットなど)を効果的に活用できるように支援することです。

参考:ICT支援員について(文部科学省)

ICT支援員だけでは推進が進まない理由


1.場当たり的な支援になりがち

先生方の個別相談に対して支援を行うことが多く、対応内容がバラバラで軸がなく、場当たり的な支援内容となってしまう。また、先生方から相談がなく1日が終わることも多い。(孤立してしまう支援員は多い。)

2.ICT支援員のなり手が不足している
ICT支援員の業務は広範囲で、知識のみならずコミュニケーション力、問題解決能力が求められる。人材が不足していることもあり、支援員間でスキルや経験値に格差が生じている結果、一貫した高品質なサポートを提供することが難しい。(学校で求められるスキルを満たしていないケースもある。)

3.ICT支援員の支援内容に教育学的目標が欠けている
先生方が受けている教育学的知識が学べる研修の参加機会がなく、「主体的・対話的で深い学び」を実現すためのICT支援ができていないケースが多い。(単なるアプリの使い方ではなく、授業や校務を改善するための提案ができていない。)

私たちは、現状の公的制度に対して課題があると判断しました。(業務内容に専門性が求められる職種にもかかわらず、単年度契約、価格競争による入札が求められる中、人材確保と支援クオリティーを担保した持続が困難。)

私たちは、ICT支援員が単独でICT利活用を進めるのではなく、「戦略」・「戦術」・「支援」の3点が線でつながる仕組みが必要ではないかと考えました。

  1. 「戦略」(教育学的目標を踏まえた指針・方針の策定)→文科省や学校DX戦略アドバイザー、教育委員会の指針

  2. 「戦術」(教育学的目標を軸に、実現における具現化・支援内容への落とし込みができるITブリッジ人材)→学校DXサポーター

  3. 「支援」→ICT支援員

そして、わたしたちは「戦術」を担うITブリッジ人材として「学校DXサポーター」という役目を作りました。


学校DXサポーターの仕事とは?

【ICT支援員と学校DXサポーターの業務比較図】

1. 教育目標の理解と共有

  • 文部科学省や教育委員会から提示された「戦略」(教育学的目標や方針)を軸に、実現に向けた施策をつくります。

2. 戦術の策定

  • 教育的目標を実現するための手段を具現化し、実現可能な形に設計します。

  • 例えば、授業でICTをどのように効果的に活用できるかの具体的な提案や、学習内容に合わせたICT活用の方法を設計します。

3. 教職員へのサポート

  • 対面とオンラインサポートを融合し、よりオンラインサポートの強化を目指していくことで、「場所・物・時間」にとらわれないサポート体制を築きます。

4. 問題解決の架け橋

  • 学校で生じた課題や要望を教育委員会に伝え、先生方が必要な環境・サポートが受けられるよう調整役を担います。

  • 学校の意見やフィードバックを吸い上げ、スピード感を持って課題解決のための施策を決定し、支援内容に反映します。

これからも先生方との信頼関係を大切にし、学校DXを共に推進させていただける良きパートナーとして仕事を実施してまいります。

お忙しい中、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!


【プロフィール】

大橋 真弓(おおはし まゆみ)
株式会社フォネット 教育事業部所属 学校DXサポーター
(Google認定教育者 Lv2取得)

SEとしてのソフトウエア開発経験をベースに、現在は学校のDX化に取り組んでいます。
県立・私立高校、特別支援学校のリーダーICT支援員を経験後、公立小中学校に向けた学校DXサポーターを実施中です。
(※同時に、企業向けDX推進事業も取り組んでいます。)

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