週末お遍路さん(38):いちばん低い場所にある西林寺で出会った、美肌のお母さん
愛媛2回目の週末お遍路さん、2日目は、46番浄瑠璃寺さんから51番石手寺さんの6寺をまわる予定。最後の石手寺さんはお遍路さんととっても関わりが深いエピソード満載のお寺のため、私たちの予定表でもしっかり時間を確保済み。
そして本日もしっかり雨模様。
46番さんではお釈迦さまが説法した場所の石が埋め込まれた「説法石」のほか(おかけください、だったけど、雨のためおかけするのはご遠慮しました)、お釈迦さまの指紋が刻まれた石碑、お大師さまお手植えの松など、こちらも見所満載。
しかも、大師堂には「抱っこ大師」がいます!
本当に抱っこできる!!
当然、気が済むまで抱いてご利益いただきました。
3人で「推しが生まれた時の重さだったらアツいよね!」と、大興奮だったので、驚くことに写真がありません。
そして境内の外には、次の47番八坂寺さんへのお遍路道しるべが石造りのお城の隣に。
47番八坂寺さんでは、地獄と極楽の風景が壁に描かれた通路があるのですが、歩きながら「地獄には行きたくないね!極楽行きたいよね!」と3人で再確認し、次なるお寺、西林寺さんに移動。
雨も止んで、今日はこのままお天気持ってくれることを祈るのみ。
48番西林寺さんで納経を済ませ、各々写真を撮っていると、先輩が私たちを呼ぶ声。
「おかあさんが境内案内してくれるって~」
ご近所のおかあさん、毎日のお散歩で西林寺さんにいらっしゃっているようで、お遍路さんを見かけると境内の案内をしてくれているそう。
「時間があるなら、境内の案内をさせてもらえませんか?」と、とってもていねいに声を掛けてくれました。「ぜひぜひお願いします~!」と私たちもおかあさんレクチャーを熱望し、いろいろと教えていただきました。
西林寺さん、目の前が川なのですが、実は橋を渡ったところよりも低い位置にあるお寺。88のお寺のなかで、いちばん低い場所にあるお寺だそうです。
「ここから写真撮るとよく分かるわよ」と、ベスポジも教えてくれたり、境内にある家庭円満の象徴でもある親子笹の説明をしてくれたり、とっても親切。
ひと通りご説明いただき、「どこからきたの?」的なあるある世間話をしているなかで、「いくつまでできるか分からないけど、毎日お寺に来て、こうやって説明させてもらってるのよ」というひと言が。
「え?おかあさん、おいくつですか?」
「もう86よ~」
「わっかーーーー!!!!!」
「90までこうして説明させてもらうのが目標なの」
「いやもう、ぜんっぜん大丈夫ですよ!」
「なんなら100までできるよ!」
「めっちゃ肌キレイですね!なんで!?」
「またそんな~、やだわ~」
と、世代を超えた束の間の女子トーク。いやでも、ホントにお肌つるつる、毛穴なんて全然ないくらいお肌もキレイだったんですよ!!
なんだ!!?その美肌の秘訣はなんだ!?水か!!?空気か!!?
「そうねぇ、水は確かにこの辺はいいかもしれないわねぇ」とのことでしたが、なんかもう、水とか空気だけの問題でもない気がする!
徳か!!!?煩悩か!!!??
徳を積めばお大師さまが美肌にしてくれるのか!!!?
私たちもお遍路さん終わるころには、毛穴レスの綾●はるかみたいな肌になれるの!!?
しばらく美肌のおかあさんと立ち話をしつつ、「またあなたたちに会えるようにがんばらないとね」と、うれしいお言葉をいただいてお別れ。
2週目のお遍路さんがあったら、またおかあさんに会いたい。
すっかりお遍路を楽しんでいる私たち、これは全然2週目もアリだぞ!という気分になってきております。
「結願したら、別格20ヶ寺も行くべきでは?」
「別格だと、各お寺でお数珠の珠を1つずついただいて、お数珠作れるらしいですよ」
「行くべきなのでは!!!??」
ふとした瞬間に3人でそんなことを話すレベル。
お遍路の先輩・母含め、ちょっと前からみんなが「もう一度行きたい」という気持ちが分かってきた。
車遍路は体力的にはかなり楽になるけど、ほいほいお寺に行けてしまう関係上、正直、各お寺の印象が薄くなってしまうところもある。
でも、気軽に気になる場所に立ち寄れる、というのは最大のメリット。
歩きは、車の逆で、3人ともいろいろ覚えてる。
この道で行き方教えてもらったよね、ここで飴ちゃんもらったよね、などなど。でも汗だくになるし、山越え中は、私、マジでなんで歩いてんだろ?って思うけど、やっぱり歩くからこそ、素敵なお家だったり、お庭だったり、気づけることがたくさんある。
お遍路の何がいいのか、って「これだ!」という表現が見つからないんだけど、たぶん、ちょっとずつ納経帳が埋まってきたり、境内の風景で季節の移り変わりを感じられたり、小さなうれしいが積み重なって「おかわり!」ってなるのかも。
お世話になったお宿も、全部良かったし!
いま、俳人の黛まどかさんが、「考える人web」でお遍路の連載をされているのですが、その中で、こんな一文があった。
「お遍路さんは一期一会。いただいた恩を返すのではなく、次につなげる“恩送り”」
それって、自分がお遍路さんをしていると本当にその通りだと感じる。人生で「一期一会」を体感できる時が来るなんて、想像もしてなかったよ。
いただいた恩はまだ次につなげられていないけど、いつかつなげなきゃ。
やっぱ、遍路宿やるか!!(たまに3人で「遍路宿やるならどの辺かなぁ」「ごちそう出すのは大変だから、素泊まりタイプかな」って妄想話もしてる)