ヨルダン レンタカー旅(12):砂漠とは、かく美しき場所なのか。
死海やペトラについては前回までで散々語っています。
ペトラ遺跡に大感動した翌日は、ペトラから車で約2時間のワディ・ラムで砂漠ツアー、そして砂漠キャンプに1泊。
ベドウィンが暮らすワディ・ラムの砂漠は保護地区に指定されているので、私たちはツーリストオフィスに車を置いていかなきゃならない。
今回は『アラビアのロレンス』のロケ地など、砂漠の名所をジープで巡り、歩いて岩山の上にある「ストーン・ブリッジ」を見に行き、夜はベドウィンキャンプで1泊するツアー。
旅友ちゃんが「マチュピチュの山は登ったことがあるけど、山登りなんて普段しないけど大丈夫?」と予約時に確認してくれたら、「ハイキングだから大丈夫」という返事が来たらしい。
ワディ・ラムにはいくつかのツアーがあるけど、私たちが参加したのは、「Khaled's Camp」。
今となってはめっちゃwebサイトが充実しているし、インスタも始めちゃってた(映えポイントしかないもんね!)。
そしてツアー行程を見るに、私たちが参加したのは「Jeep Tour And Climbing」なのではないか?という気が……。
なんだよ、いまもうクライミングって言ってるじゃん。
あの頃はハイキングって言ってたのに……。やっぱりクライミングでよかったんじゃん……。
当時と微妙に違うけど、ほぼこの行程でした。
1.ビジターセンター集合
2,ワディ・ラムを通り「ローレンス・スプリング」
3.サンドボーディング(これはなかった)
4,Jebel Anafishiyaでナバテア人の碑文を見る
5.「ローレンス・ハウス」へ移動
6.素晴らしいブルダ・キャニオンをハイキング
(ストーン・ブリッジを見に行くクライミング)
7.渓谷の中で昼食
8.もう一つのストーン・ブリッジへ
ブルダ・アーチより簡単に登ることができます
9.砂漠での夕食と夜
10.翌朝、集合場所に戻る前に朝食
ツアーはビジターセンターまでキャンプのおじさんが迎えに来てくれる。
そして私たちを見るなり、
「水はどれだけある?」
「それぞれ1.5リットルのボトルと小さいボトルもあるよ」
「だめ。足りない。センターの売店でもう1本ずつ買ってこい」
と、しょっぱなから、ダメ出し。確かにひとり2リットル必須、と言われていたけど、ほんのちょっとよ、お互い足りないの。
砂漠、厳しいわ(当たり前)。
ビジターセンターにある売店で追加のお水を購入し、おじさんにお許しをもらったことで、ようやくジープに乗り込む資格を得ました。
私たちを案内してくれたのは、こちらもベドウィンの青年。名前教えてもらったけど忘れてしまった……ごめんよアブドル(仮称)。
そこからしばらくは私たちを乗せた荷台にシンプルなタープだけついたジープで、アブドルくん(もう彼はアブドルくんということにします)は砂漠のど真ん中を一直線に爆走。
このまま午前中は『アラビアのロレンス』の撮影スポットや個性的な岩を案内してもらう。
でもロレンス関連の場所って「言われなきゃ分からんなぁ……」という場所でした。
『アラビアのロレンス』は大好きな映画なのですが(ピーター・オトゥールの青い目が素敵)、映画との印象がけっこう違うので、テンションうなぎ登り〜!とはならなかったのが正直な感想。
たぶん、この砂漠の光景はロレンスの感動を簡単に追い越してしまうからだと思う。
砂漠は主にジープ移動中なので、ワディ・ラムではペトラで買ったクーフィーヤが大活躍!
目以外を布で覆って、砂埃対策も完璧。
薄手の布なので息苦しくもないし、砂漠と共に生きてきた人々の知恵を存分に発揮してくれる。
素晴らしい!
茶褐色の美しい砂漠の世界を迷いもなく進んでゆく、ジープ。
ちょこちょこ止まって何千年も前のペトログリフを見せてもらったりしたけど、とにかくこの広大な砂漠の風景に大感激。
砂漠って、こんなに美しい場所だったんだ。
さらさらと動く砂が太陽に照らされて赤く流れていく風景はいつまでも見ていられるし、この乾いた砂だらけの場所で小さな植物を見かけると、健気に生きる姿に素直に感動するし、生命とはこうあるべきものなんだな、と再認識させられる。
自然に対する畏敬の念が自然に湧き上がってきて、人間は到底自然には敵わないちっぽけな存在なんだなと感じた。
ホントに地球というのはすごい惑星。
ちなみに、マット・デイモン主演の『オデッセイ』の火星のシーンもこの場所で撮影されています(映画館で「ここワディ・ラムだ!」と、ひとり大興奮だった)。
ランチタイムは大きな岩陰をベースキャンプにして、アブドルくんがその場で調理してくれる。
ベドウィン男性はみんなスラっとしているのに、重い荷物も軽々持ててお料理もできるし、モテ要素いっぱいだね。
「ご飯ができるまで休憩していてもいいし、その辺を歩いててもいいよ。でも見える場所にいてね」ということなので、旅友ちゃんは木陰で休憩、私は砂漠散歩。
砂まみれになりながら砂丘に登り、どこまでも続く砂漠の風景を目に焼き付けなければ!と360度見渡す。
アブドルくんはランチを作りながらも私の行先をしっかりチェックしていたらしく、ちょいちょい下から手を振ってくれたりしていた。
環境保護や観光客の安全チェックもあるとはいえ、マメだな。
やっぱりモテそう。
そうこうしているうちに「ランチできたよー」とのことで、お楽しみのランチタイム。
ピタパンやサラダ、フムスなどのオーソドックスなベドウィンランチ。
ヨルダンのご飯は基本的にチキンやフムス、ピタパンなので、ヘルシーな気がするな。
風が強くてご飯に砂が入ってきたりもしたけど、ま、ワディ・ラムの砂も記念に体内に取り込んだということで。
アブドルくんと3人でランチを食べてお昼休憩したあとは、いよいよクライミングタイム。
彼らが「ハイキング」と表現した道はどんなものなのか。
ちなみにランチ中、ずっと気になってたことを聞いてみた。
「この砂漠でどうしてみんな迷子にならないの?」
「岩の形を目印にしてるんだ。●●に行くときは、あの岩と岩の間を進めばいい」
やっぱりベドウィンの人って、映画のセリフみたいなことを平然と言うのね!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?