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音楽のはなし:楽器演奏は、究極のマインドフルネスかも

今年もよろしくお願いします。
箱根駅伝、すごかったですね。個人的に駒沢大学を応援しているのですが、1日経った今も大八木監督の勇退に驚きとさみしさを引きずっています。

さて。
我家は子どもの頃から自分の部屋にいる習慣がなくて(自分の部屋にいるのはヴァイオリンの練習と寝る時だけ)、いまも実家では居間のテレビで映画やYouTubeを観ることが大半。この年末年始も例に漏れずでした。

私も母も旅や歴史が好きなので(絶対に遺伝)、そのあたりのYouTube動画を一緒に観つつ、「この映画が観たいんだけど」とリクエストがあると配信を探してみたり。

楽器をやらない母ですが、私がヴァイオリンを習っていたこともあり、クラシック音楽の動画もよく見ています。最近の母のお気に入りは「TAKU-音TV」。母曰く、「ウィーンのピアニストの子」。
何度教えても名前を覚えられない、親あるある。

私よりもたくさん海外旅行に行っている母ですが、ウィーンはとてもよかったらしく、「ウィーンだけは死ぬまでにもう一度行きたい」と言ってます(同じ国にはあまり行かない人なのに)。なので、演奏と一緒にウィーン近辺の雰囲気も楽しめるTAKU-音さんの動画が大好き。

そして動画を観ながら必ず言うのがこれ。

「こうやってピアノが弾けるといいわねぇ。楽しいでしょうねぇ」

いやもう、それは完全同意よ。
まず、プロの厳しい世界で生きているだけで素晴らしいし、めっちゃ尊敬ですわ(私はピアノが弾けなくて音大受験を諦めた人。鍵盤楽器が弾けないことを未練たらしく書くくらい羨ましい)。

で、これらに加えて最近追加された母の感想がこちら。

「生まれ変わったら、何かひとつの楽器を弾けるようになりたい」

今から習えばいいじゃん、と言ったら、どうやら「人に聴いてもらっても恥ずかしくない程度に」弾けるようになりたいらしい。いや、それも別に今からはじめてもできるようになるでしょうに。
まぁ、でも言いたいことは分かる。
私だってヴァイオリン復活したけど、もし聴いてくれる人がいるなら、「上手いね」じゃなくて感情を現すような感想を言ってもらえる音色で弾きたいし、自分が納得できるまでは人前では弾きたくないな、とも思うし。
こういうところにまたしても感じる遺伝。

でもその言葉を聞いて、まぁそれなりだとしても「演奏できます」と言える楽器があるって幸せなことなんだな、と改めて感じました。
ものすごい極論だけど、例えば、家族も友人もお猫さまも誰も居なくなってひとりぽっちになってしまったとしても、楽器だけ残っててくれれば、弾いている10分とか30分間だけは、辛いことを忘れられるかもしれないな、と思うのです。
で、きっとモーツアルトなら宮廷の華やかな画を想像するだろうし、クライスラーを弾けば軽やかに跳ねるかわいい気分になれるんじゃないのかな、と思うのです(ベートーベンの交響曲もかなり勇気が湧いてくると思うけど、あれは交響曲ならではだからひとりじゃムリ。ちなみに私は5番が好き)。

そのくらい集中できて、自然と自分の感情を動かすことができるものって、なかなか出会えないと思う。
そう思うと楽器を弾くことは私にとって究極のマインドフルネスだし、これも「芸は身を助ける」ということなのかな~と感じます。

そんな楽器を与えてくれた親に感謝。
母の「何か楽器を弾けるようになりたい」という言葉から、楽器が弾けるって本当にありがたいことだな、と感じた年末年始なのでした。

ちなみに少し前にTAKU-音さんがアップしていた映画『ひまわり』のテーマ曲、とっても素敵でした。映画『ひまわり』は、この年末年始でもNHK-BSでも放送していましたね。あの壮大で悲しい、信じられないほど美しいひまわり畑、ウクライナ・キーウの近くだそうだけど、いまどんな状況なんだろう……。考えると悲しくなっちゃう。

『ひまわり』は母も大好きな映画で(というかマルチェロ・マストロヤンニが好き。分かりやすい!)、映画を思い出して泣きそうになりながら見入ってました。でも、本当に何度聴いても心が締め付けられる名曲。作曲したヘンリー・マンシーニのもの悲しさを感じさせたり、いろんな感情がまじりあってるメロディが本当にいい!ちなみに、『ピンクパンサー』や「刑事コロンボ」のテーマもマンシーニ作曲です。

TAKU-音さん、映画『ティファニーで朝食を』の「ムーンリバー」の演奏動画もアップされているのですが、こちらもドラマティックで素敵でした。

「ムーンリバー」も作曲はマンシーニで、アカデミー賞でも歌曲賞を受賞。歌曲賞だけじゃなく、同作で作曲賞も受賞しています。そしてこの映画も相変わらずオードリーがかわいい。オードリーが飼っている茶トラの猫もかわいい(めっちゃ優秀な俳優ねこ。本名はオランジー)。
てゆーかマンシーニ、マジで天才。
TAKU-音さんの映画音楽の選曲も我ら親子の好みにぴったり。

弦楽器ってどんなに頑張っても4つの音しか同時に出せないから(連続した和音なら基本的に2音とか)、ひとりだと鍵盤楽器のように奥行きのある音楽って難しいのよね。エレクトーンだとひとりオーケストラもできるしすごいよね!楽しそう!絶対あわあわするだろうけど!
もちろん、弦楽器特融の素敵な旋律もたくさんあるんだけど。

やっぱり鍵盤楽器も弾けるようになりたいなぁ。
挫折したけど……。
いや、欲張ってはいかん。まずは引き続きリハビリだ!


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