16時間かけて
友達のシルビアのお姉さんの結婚式で、
ボスニアとクロアチアに向かっている
夜の23時にドイツを出発して、眠らずにアウトバーンを車で走る
シルビアの家族、お母さんや兄妹、甥っ子、パートナーも一緒に
車2台にパンパンに荷物をつんで、
文句を言い合いながら、それぞれが役割を精一杯こなしている姿が
すごく素敵だなぁと思った
シルビアは面倒見がいいので、みんなに食べるものが行き渡っているか、トイレに行く小銭があるか、84歳のお母さんの様子などを、常に気にかけている
シルビアのパートナーとお兄さんは、ナビやいくつもの国の高速、トンネルのことを担当してあーだこーだ話している
かっこいい自分の車に家族を乗せて運転する甥っ子は、疲れを忘れてきた元気さで、文句をいわずにほとんどひとりで運転しきった
わたしは、居心地がよくて、後部座席でなんどもうとうと眠りに落ちる
となりに座る別の甥っ子は、優しい笑顔で静かに座っている
カッコをつけたいのか、シルビアのパートナーが運転疲れを押し切って走ろうとするとき、シルビアは有無を言わさず休ませた
その様子を受け取って、いい女だとパートナーがぼそっと言うのを見て、すごくいいなぁとわたしは思った
シルビアは、つい頑張りすぎてしまう優しいひとで、
最後の最後にもうだれも走りたくないときに、無理をして頑張るひとだ
オーストリアの山を超え、スロベニア、クロアチアにはいり、アドリア海が見えてくる
砂や岩や背の低い植物に容赦なく太陽が降り注ぎ、乾燥した土地が広がる
こんな場所で人間が暮らしているのがすごいと思った
今日の目的地、EUではないボスニアに入るとき、わたしのパスポートにはスタンプが押された
政治や歴史に詳しくないわたしは、
せっかく来た土地のことを、何もわからないのが残念だと思った
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あなたはあなたらしく、わたしはわたしらしく。