粉物と、背骨に隠れる魔物

小麦には、魔力が潜んでいるのではないかと思うことがある

こんがり焼けたさくさくのクロワッサンは、食べれば食べるほど脳内の刺激が増してくるようだし、

ふと精神が揺れたとき、わたしは粉物を食べたくなることが多い

パンを食べた後、数時間後にものすごい空腹を感じるようだ

この空腹は耐え難く、夜から次の日の朝まで16時間以上食事を開けた時に感じる胃が軽くなった爽やかさとは、全く違う種類の空腹感だ

粉物には、ひとを惑わせるような魔力があるのではないかと、わたしは密かに思っている

人類が農耕を始めて土地に定住し、小麦や作物を計画的に育てるようになってから、人々の生活は大きく変わったようだし

生活が安定して豊かになった反面、人類は何かを差し出したのかもしれない

粉物には、とても美味しくて、魅力的で、やみつきになってしまうような、

魔力が潜んでいるような気がする

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久しぶりに、とてもエネルギッシュな人のヨガのクラス（流れるダンスをするようなヨガで、力強く美しい）にオンラインで参加する

背骨には何かが隠れていて、前に後ろに反らしてひねっていくと

骨の間から、魔物がぱちんと飛び出してくるような、気持ちのいい音がする

できないことをやろうとすると身体は声をあげるが、

その声の裏に隠れている、本音を垣間見ることができるのは

すごくうれしい、特別な感覚がする

わたしの知り合いには、ヘルニアやリュウマチ、怪我の後遺症など、さまざまな身体の問題を抱えている人がいて

健康で身体が動かせるのは、価値のあることだと忘れないでいたい

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昔、ツール・ド・フランスを走っていた86歳の友人は、今でも電動自転車に乗ると、頭の後ろに目がついたように、猛烈なスピードで車より先を走っていく

今日は、車の運転をしながら昔の話を聞かせてくれて、わたしは軽い気持ちで「自伝を書いたらいいのに」と言うと

辛い記憶を話すよりも、楽しい記憶を人は話していたいものだと言われた

戦争や疎開や両親のかわりに弟を育てた経験は、それを自分の体験として語れる人は少ない

時代は、すごいスピードで変わっている