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メディフォン株式会社 CEOの澤田です

こんにちは!
自分の日々の仕事や考えたことを記録していきたいと思います。
今回は最初なので、当社の成り立ちについて少し触れます。


メディフォンが生まれた背景


当社は医療領域の課題解決に取り組むスタートアップです。
「医療から多様な社会をつくること」を目指しています。

株式会社としては6年目、プロダクトとしては10年目になりました。
期間のずれがあります。背景について、少し説明したいと思います。

https://corp.mediphone.jp/mymediphone/ 

メディフォンが解決したい課題

元々メディフォンというプロダクトはNPOの課題解決事業としての取り組みの中で生まれました。

2013年、診察室にやってきた外国人患者さんに問診ができず困っていると医師から聞いたことがきっかけで、「外国人医療」の領域について色々な人に話を聞いたりリサーチを行いました。

医療従事者が困っても、助けを求める場所がない、分からない、と聞く中で、なんとかすべきだ、と漠然と思いながら調査を進めていたわけですが、実際にこの課題を解決することができる「医療通訳者」という人たちがいることを知り、そしてその方々がボランティアや交通費を自己負担で持ち出して困っている人たちを助けていることを知りました。

当時、成長真っ只中のIT業界からあるきっかけで医療業界に飛び込みNPOを経営していた身であった私は(この話はまた別の回)、衝撃を受けました。

この仕事に対して、報酬がしっかり支払われるべきである。社会の資源が適切に配分されていないのではないか。平日は別の仕事で生計を立てている方が多いので、土日に学習し続け、電車やバスを乗り継いで現地まで行き通訳して帰る。医療通訳者さんは増加するベトナム語などの在住外国人対応で疲弊し始めていました。

これでは持続できません。

困っている外国人患者さん、医療従事者、医療通訳者の3者がいる。それぞれが助かる仕組みを作れるはずである、絶対つくる、そして持続的に医療通訳者さんがプロフェッショナルとして活躍できる仕組みを作ろうと、NPOの仲間たちと考え、実行することにしました。

山の中の診療所からも電話一本で繋がるプロダクト


医療通訳者は数が限られます。他方、医療機関は全国にある。全国にうすく広がる外国語での医療対応ニーズを、全国に散らばる少ない医療通訳者で遠隔対応することができれば、医療通訳者も効率的に依頼対応をできますし、数もこなせます。当時の主流であった「現場に出向いて対面通訳する」スタイルではなく「遠隔から通訳介入する」というスタイルでいくことに決めました。

また、UI/UXとしては、医療機関はインターネット環境が整備されていないところが多かったので、どこにでもある、電話一本で医療専門の通訳者につながるようにしようと決めました。通信システムを作っているエンジニアの方に手伝っていただき、プロダクト開発に着手を開始しました。

医療通訳者探し

実現したいプロダクトのイメージはつきました。プロトタイプ作りを着々と進めました。但し、私たちのプロダクトはその先に医療通訳者さんが必要。次は医療通訳者さん探しです。

医療通訳の領域を見ていくと、長年医療通訳者の育成に携わられている先生方がいることが分かってきました。その先生たちにアプローチし、解決したい課題とビジョンを説明して、ご協力を依頼する。大学に訪問したり、通訳イベント・学会に出向いてひたすらご挨拶していきました。一人ずつ、「協力してもいいですよ」といってくださる通訳者さんができていって、英語と中国語でまずはスタートできる布陣が整いました。

とは言え、みなさんフルタイムでは別の仕事をされているので、育成をしている先生たちに研修開催などで講師を担当いただき、継続的な医療通訳者探し・育成を続けました。この医療通訳者育成の取り組みは今でも当社がコミットしている領域です。

病院から問い合わせの電話がきた!

英語と中国語で何とかプロトタイプでお試し利用がスタート!主要な病院に電話して案内を開始しました。無視されて話を聞いてもらえないというのがほとんどですが、たまに、大学病院やグループ病院からパラパラと使いたいと言っていただけたことは、チームの気持ちを支えました。

毎日地道に約8,000ある病院に対し、私も含め営業電話をして病院に案内する中、ある日、某有名病院グループの事務局から「サービスについて聞いた。ぜひ使いたい。」と電話がかかってきたのです!45病院を有するグループ病院でしたので、チームにとって非常に大きな出来事でした。

この時、間違いなく本領域に課題があることを確信しました。


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