告白雨雲
「君が好きだ」と、あの日伝えたかった。
けれど僕は、その機会を永遠に失った。
君が待つ夏祭りの海岸へ。
突然の雨に、路面は濡れて。
僕は馬鹿だよね。
君は、自分が雨女だと思っているね。
大学受験の日、合格発表の日、
ハタチになった日、
僕の次に好きな人が出来た日。
プロポーズされた日。
雨を見て、泣くのはもうやめにしよう。
きっと、これが最後だ。
僕は通り雨だ。
君を通り過ぎる雨雲だ。
言えなかった、好きを言い続けるよ。
君が、雨の中で微笑むまで。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?