フシギドライバー【いないいないBar】
「スクリュードライバーのはずだけど?」
いつものオレンジ色ではなく、それは透明な液体だった。マスターは何も言わずに奥へ「いないいない」した。そしてごついドライバーが添えられていた。
「これで混ぜろって?」
スクリュードライバーの起源通りに、グラスの中をドライバーでかき混ぜてみた。
おっと。
ひと口飲んだだけで、おねしょで描いた下手な象の記憶、間違って食べた渋柿の味、ビールを浴びたら脱色するなんて知らなかった髪の色。
「マイナスのチョイスが独特なんだけど……」
プラスドライバーも出して、とマスターを探したら、「ばあ」と顔を出した。
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