赤ちゃんの『胃軸捻転』って知ってる?
赤ちゃんの
“げっぷ”がでにくい。
いつもお腹が張っていて寝かすと不機嫌。
一日中“おなら”をしている。
何度も便が出るが付着する程度。
おっぱいやミルクをよく吐く。
それはもしかしたら『胃軸捻転』になっているのかもしれません。
『胃軸捻転』とは胃を支えている靭帯が弱いために胃が正しい位置に収まらず捻じれてしまう状態です。
捻転の形から縦軸に捻じれる“長軸捻転”と下から上に持ち上がって捻じれる“短軸捻転”があります。
そうなると授乳の時に飲んだ空気が捻じれにたまって外に出にくくなります。
おっぱいやミルクもスムーズに下に降りません。
水風船に空気を入れて捻じってみるとイメージがつくかと。
レントゲンでお腹を撮影すると胃の形が捻じれお腹に多量にガスが溜りミルクも胃の中に停滞しているのがわかります。
胃の周りの組織がしっかりしてくる1歳頃までには自然に治ります。
けれど赤ちゃんもいつもお腹が張って不機嫌だし、おっぱいもよく吐くので目が離せない。
はやく落ち着かせてあげたいものですね。
そこで改善方法は
① 授乳後のうつぶせ寝
② 授乳後の側臥位
③ 縦抱きで“げっぷ”を出す
④ 少量ずつの授乳
⑤ 小まめな浣腸
それぞれの理屈とやり方のコツですが…
① 授乳後のうつぶせ寝
これは胃が膨らんでいる状態でうつ伏せにすることで胃の形が平らになり矯正されやすいのです。
水風船を平らなところに置いたあの感じです。
但し、乳幼児突然死のリスクが高まるので傍で目を離さない状態で行うこと。
赤ちゃんの顔を横に向け大体10分間ぐらい行います。
顔が埋もれるのが心配なら、ママのお膝の上で上体を少し高くして行ってもよいです。
大きな“げっぷ”が出たら仰向けにもどします。
① 授乳後の側臥位
体の向き癖が強い場合も軸捻転が起こりやすい。
向き癖があるとその方向に体軸が縮こまっているか捻じれているので。
そこで向き癖側を下にした側臥位にします。
授乳後の胃が膨らんでいる状態で側臥位にすることで胃を横に伸ばすイメージです(水風船の原理と同じ)。
胃軸捻転は右に捻じれることが多いのでよく右下にしますが、向き癖が反対側のこともあります。
左右どちらを下にした方が上腹部の腫れが引きやすいか試してみるとよいですね。
② 縦抱きで“げっぷ”を出す
なるべく赤ちゃんを高い位置に持ち上げてママやパパの肩先に胃が来るようにして背中をさすります。
マヨネーズの容器を縦て空気を上に集め、容器に圧を掛けて空気を搾りだす感じです。
ガスと一緒にミルクが多めに出るかもしれませんが慌てずに。
仰向けにしていて多量に出るよりは誤飲の危険性がなくて安心です。
③ 少量ずつの授乳
一度に沢山飲まそうとしても捻じれている分、胃の容積が狭く飲めません。
すぐ吐いてしまいます。
こまめに“げっぷ”をさせながら少しずつおっぱいやミルクを与えます。
その方が結果的にお腹に収まる量が確保できます。
④ 小まめな綿棒浣腸
“げっぷ”が出にくいとお腹にガスが溜まります。
そのガスがさらに胃を縮こまらせて捻転を悪化させることになります。
お腹が張ってうなり気味の時は綿棒浣腸でガスを抜いてあげます。
生後3~4ヶ月頃には腹筋も発達し自分で踏ん張って“おなら”をだせるようになります。
それまでは癖を心配しないでお腹の張りに合わせて1日に2~3回浣腸を行っても構いません。
ほとんどの『胃軸捻転』は病気と言うより赤ちゃんの特性による
“起こりやすい状態”です。
特性を掴んで成長を促しましょう。
赤ちゃんもママも楽に過ごせる方法を探してみてくださいね。