我が子の鼻水を吸えますか?
子どもが幼い頃、鼻が詰まって苦しそうなとき
私は『鼻吸い器』を使いました。
私は看護師・助産師なので器具を用いて鼻腔吸引を行う事には慣れていました。
どれくらいの太さの管をどんな姿勢にしてどれくらい挿入し、どれくらいの圧で吸引するか…
普段行っていた医療行為でしたから。
なので
「鼻が詰まっていたら器具を用いて鼻腔吸引をする」
のは、当たり前だと思っていました。
ところが、意識のあるよく動く子どもにそれを家庭で行うには一苦労しました。
まず異物が鼻に突っ込まれるのを嫌がります。
(大人でもそうですよね)
もう泣き暴れるのを押さえつけ
必死に口で吸引するタイプの鼻吸器の管を使ったものです。
子どもは暴れて管で鼻腔粘膜が傷つき血まみれ。
当時は一般に売られているものは手動のカテーテル型で
管が長い分、強く吸わなければなりませんでした。
逆流防止装置がついいてても
暴れて吸引が上手くできず何度も口で吸うので
結局自分も風邪が移るという…
親子共々悲惨でした。
今は色々なタイプの『鼻吸い器』がありますね。
管(カテーテル)状からスポイドタイプの物。
手動式、電動式等。
どれを使うにしてもコツは
①鼻と気道が約90度の姿勢にする。
②頭が動かないよう、手が顔に来ないよう短時間固定する。
*私はタオルで子どもの上半身を巻き自分の足の間に頭を挟んで固定して行いました。
③片方の鼻を吸引する場合、もう片方の鼻を塞ぎ吸引圧を高める。
です。
ところが…
第一選択に器具を思いつかなかった私の妹は
鼻が詰まって苦しそうな我が子をどうすればよいか
母に尋ねたそうです。
すると母は
「そんなもの、親が口で吸ってやればいいのよ」
さらりと言ったそうです。
その話をごく最近、妹から聴きました。
私達、そうやって育てられてきたんだ…。
当時、思いつきもしなかった…。
気道分泌物は器具で鼻腔、口腔吸引するものだと思っていた…。
母のその方法は原始的ですがとても理に適っていると今なら思います。
その時のコツは鼻吸い器を使う時と同じだと思いますが…
多分そんなにしっかり固定しなくてもよいと思います。
鼻に少し長くキスをするようなものですから(笑)。
親が鼻吸いをする効用
・子は異物を挿入される恐怖心がない
・吸引圧が優しく鼻耳に優しい
・吸引物の様子がわかるので吸引圧を適切に調整できる
・親が子どもの健康状態を体で感じることができる
・機械的刺激が鼻腔粘膜に加わらないので粘膜を損傷しない
・親との濃厚なスキンシップが子に安心感を与え免疫力を向上させる
ただし、子の排泄物を口にする愛と勇気(?)がいりますけど…
皆さんは我が子の鼻水吸えますか?