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企業の意思決定プロセスにおいて 多様性を確保する意味とは

エグゼクティブコーチの安藤真由美です。
今日は企業の意思決定プロセスに多様性が必要であるという話を書いてみたいと思います。

日経xwoman編集部が、東証1部上場企業2191社の時価総額ランキング上位300社を対象に調査を実施し、以下の記事で「女性取締役ゼロ企業」を公開しました。

「女性取締役ランキング発表 「生え抜き」不在の多様性」

グローバルに事業展開している企業や、ダイバーシティ経営を謳っている印象がある企業など……。

しかし、このリストに掲載されていない企業では女性取締役が定着しているのかというと、全くそんなことはありません。

現在、東証1部上場企業2191社の時価総額ランキング上位300社の女性取締役のうち、内部取締役は9.9%のみです。

多くの日本企業では、女性取締役はひとりだけ、しかも外部取締役ばかりという現実があります。

コーポレートガバナンスの観点から、取り急ぎ形を整えた印象が否めません。

今年6月、金融庁と東京証券取引所はコーポレートガバナンス・コードを改定し、上場企業に多様性の確保を求めています。

なかでも役員構成における多様性の確保は、議決権助言会社のISSやグラスルイスも注目しています。

また、投資や企業経営の分野でも注目が高まる持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)においても、5番目の目標としてジェンダー平等が掲げられています。

働く女性の数を増やすだけでは、女性活躍が進んだことにはなりません。

「意思決定プロセスに関わる女性」が増える必要があります。

性別や年齢や国籍などに関わらず、多様な背景を持つ人々が意思決定過程に関与できることが、本当の意味でのダイバーシティ&インクルージョンではないでしょうか。

社会課題(あるいは人権問題)の是正という面だけでなく、企業の競争力確保や安定的な資金調達のためにも、多様性の確保が喫緊の課題です。

そんなことを言われても……と思われた経営陣の方々にぜひ読んでいただきたいのが、『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』です。

同書にある通り、「異質性や異端の排除とむすびついた発想や行動の均質性という日本企業の持つ特性が、逆機能する可能性」や「日本軍同様、過去の成功体験が上部構造に固定化し、学習棄却ができにくい組織になりつつある」ことが、現在の日本企業の大きな問題となっています。
同書を通じて、日本企業の経営にも多様性が欠かせないことが実感できるはずです。

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